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感想はネタバレを含みますのでご注意ください。(物語の核となる致命的なネタバレはできるだけぼかしています)
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覆面作家企画3”冬” テンプレートに沿ったあとがき
2008/03/02(Sun)
覆面作家企画3“冬”、2/29に正解発表が行われました。
主催の青野優子様、参加者の皆様、お疲れ様でした。
以下、あとがきです。
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主催の青野優子様、参加者の皆様、お疲れ様でした。
以下、あとがきです。
続きを読む
■作者名
文月夕
■サイト名&アドレス
花迷路 http://www6.plala.or.jp/HANAMEIRO/
■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
Cブロック、C-11『ふりさけ見れば春日なる』
http://fukumennkikaku.web.fc2.com/3/fuyu/70817.htm
■ジャンル
現代恋愛もの。
■あらすじ
ある年の大晦日、新幹線から故郷の地に圭子は降り立った。楽しみにしている恒例の帰省、でも胸の重石になっているのは、即答できなかった恋人からのプロポーズ。彼のことは好きだけれど、東京のあの広いばかりの空が、自分の故郷になるなんて――。
■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
こちらです。
■この作品を書くのに、どのくらい時間がかかりましたか?
PCに向かっていたのは合わせても1日弱くらいです。
脳内構想は2〜3日程度。
■推理をかわすための作戦は?
特にありません、というか、かわす気がすでにありませんでした。
むしろ、とっても私らしい作品を書こうと思ってました(←企画の趣旨を誤解してるとしか)。
実際すがすがしいほど高正解率でしたね! はっはっは。
■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?
お題が「空」ということで、飛行機乗りのお話が頭に浮かびました。
それから、やっぱファンタジー書こうかな〜というので、人間に恋した月の神様のお話とか。
■その作品を提出しなかった理由は?
飛行機乗りのお話は、プロット段階で枚数制限に引っかかる予感がしたのと、資料に頼らず書くと薄っぺらになりそうだったので。
ファンタジーのほうは構想がまったくまとまらず。
■作品のネタを思いついたきっかけは?
“夏”で間に合わなかった苦い経験から、とにかく筆が進むお話にしよう、そのためには自分の中から題材を持ってくることだ、と考えました。
そして、「空」というキーワードから思いついた、というか、脳内から引っ張り出してきたのが「東京(関東)の空と広島(瀬戸内)の空」というテーマです。私自身、大学進学で広島から関東に出てきて10年ちょっとになるので。
洗濯物を干しているときに、ぽん、と浮かんだような気がします。ベランダから見える風景に触発されたのかも。
ちなみに年末の帰省の話にしたのは、執筆直前に実際に帰省したからです。どこまで自分の生活切り売りするんだ私。
■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
「違和感」については自分の中にあるものを言葉にするだけでしたが、どう「納得」させるかが悩みの種でした。だって私自身、いまだにあんまり納得いってないんですもん。
それから、舞台について。ほとんどの方が広島と看破されてましたし、実際その通りなのですが、一応完全には特定しない書き方にしてみました。だから路面電車が出てこないんです(笑)
■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
削った、というか、時間と枚数の関係から最初から省いたものがいくつか。(枚数、提出直前まで半分に誤解してました)
主人公が恋人のどのへんに惹かれているのか、具体的なエピソードをひとつふたつ差し挟みたかったのですが、時間内にどうしても思いつかず。そのせいで恋愛感情に説得力がいまひとつ足りなくて、大いに反省してます。
あと、主人公が帰省したのが大晦日の昼、メールが届くのが元旦の夜ということで、元旦の日中のエピソードもすぽんと抜けてるんですよね。ここももう少し書き込んでよかったな、と思います。
ところで心底どうでもいいネタですが、俊輔の名前の由来はセルティックの中村俊輔です。あの顔で読んでください(笑)
■その作品の続編または長編化のご予定は?
ありません。
■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
ひとつは、タイトル。ラスト近くの圭子の台詞を書いた時点で、これは動かせないと思いました。
もうひとつはラストの台詞です。テーマと時節にあわせて、きれいに締められたんじゃないかと思います。(わかりにくいというコメントも頂きましたので、そこは反省点ですが……)
■推理期間中、褒められた点は?
文章について「書き慣れている」「落ち着いている」等のお褒めの言葉をいくつか頂きました。
ここのところ小説執筆からだいぶ離れていて、ぎこちなくなっていないかなと心配でしたので、とても嬉しかったです。
方言は評判良かったみたいです。覆面ズレまくりの見返りはあった感じです。
それから、褒められた点というわけではないのですが、ご自分の土地の雑煮について語ってくださったかたが結構多くて、面白かったです(笑)
ちなみに広島スタンダードは「ゆでた丸餅、すまし汁、はまぐりと鶏肉と野菜(大根、人参、三つ葉、ほうれん草など)」、らしいです(旦那実家がこれ)。ブリが入るというのも聞きます。名産の牡蠣が入る家庭も多い模様。出汁はいりこが正式かなあ。
伝聞なのは、うちの母が生粋の広島っ子ではないせい。実家の雑煮はいろいろちゃんぽんです。実は私、焼いた丸餅+すまし汁育ちです。
■推理されてみて、いかがでしたか?
ドキドキしました〜。意識していた癖(ダッシュ後に句点省略とか、漢字の開き方とか)のほかに、意識してなかった癖も色々指摘していただいて、とても興味深かったです。
アラビア数字と漢数字の使い分けが特徴になるというのは思ってもみなかったので、目から鱗がポロポロ。意識してアラビア数字にしている部分もあるんですが、指摘されて読み返してみたらうっかり普段の(ブログとか書くときの)癖のままで使っちゃってるところも多々ありました。サイトに掲載するときは修正したいと思います。
しかし、意気込みで語り口(文体)が突破口になるだろう、と書きましたが、それ以前にパーソナルデータ(広島出身関東在住、既婚者)が巨大なヒントでしたねorz
そのせいで、文体とか題材とかの話になる前に「これは文月さん!」と断定されてしまうことが多くて、ちょっと寂しかったです(笑)とっても自業自得なんですが。ああもったいなかった。
いままでの覆面企画をあんまりまともにチェックしていなかったので、記号の使い方が大きな推理ポイントになるとはあまり意識しておらず、へー、という感じでした。せめて、そのへんだけでもはぐらかしておけば良かったかな〜と思います。
■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?
C-02『舞夜空(まいよぞら)』(宮武鳴さん)
C-04『起源の探査』(マル太さん)
C-06『ボクらの、冒険前夜。』(よもぎの森さん)
C-12『三つ葉』(凌雪さん)
あと、推理過程で候補にあがったものとしては
C-01『毒』(土岐さん)
C-03『ジンニーと魔法の絨毯』(鶏米チャボさん)
C-08『Deserter's 45 minutes』(深海いわしさん)
C-10『てるてる坊主の気持ち』(天菜真祭さん)
もありました。
C-02には2票。どちらも、短い作品だからというのが理由でした。意気込みに「制限枚数を半分に勘違いしていた!」とか「2〜3日で書きました」とか書いてたことから判断なさったようです。(前者はヒントというにも程があると気づいて、途中で削除しました。すみません)もしかして最大のフェイクは意気込みでしたか。
サイトの作品から私はファンタジー書きだと認識されているようでして、作品ジャンルから推理しようとして悩まれた方もいらっしゃったみたいです。
■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?
鶏米チャボさん(正解はC-03『ジンニーと魔法の絨毯』)
羽津樹透夜さん(正解はC-07『鏡よ鏡』)
深海いわしさん(正解はC-08『Deserter's 45 minutes』)
でした。
■推理してみて、いかがでしたか?
■あなたの正解率、どのくらいでしたか?
すみません、推理できませんでした……。ごめんなさい。
いくつかの作品については「これが○○さんのじゃないか」とこっそり思っていたのですが、それらはわりと当たってました。(分かりやすい人だけ推理していただけとも言う)
■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
小説書いて感想貰うことって楽しいですね!(そこか)
■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
A-11『リワインドの神は虚しき骸にして愚かなる人間。』
A-13『我が家の吾が輩』
B-05『かくして王は』
B-06『未だ凍てつく春の中』
B-10『君の手、そして始まりの空』
B-12『Aurora Breakup』
C-01『毒』
C-07『鏡よ鏡』
C-08『Deserter's 45 minutes』
D-04『腐乱天使』
■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
A-02『タイトル未定』。
えーっ、未定で出しちゃったの!? と思って読んでびっくり。お見事でございました!
■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。
3つだけですか。うーんうーん……
A-13『我が家の吾が輩』
にゃんこ様! に尽きます。ふろ〜らる……。
B-05『かくして王は』
かっこいい! こういう作品かけるようになりたいです。
B-06『未だ凍てつく春の中』
読み返すたびに味わいが深く。静かな雰囲気が素敵でした。
■探偵さんに一言。
推理してくださってありがとうございました! 数字の表記や節の区切り方など、意識していなかった部分にもいろいろと癖を見つけてくださって、目から鱗がぽろぽろでした。
いろいろさらけ出しすぎで、推理を楽しみたかった方には歯ごたえのなかった作品だったとおもいます。すみません。
次回があれば、ぜひとも探偵さんの首をひねらせる一作を提出したいと思います!
■他の参加者さんに一言。
ご一緒できて本当に楽しかったです。ありがとうございました。
色々な作品に出会えたり、たくさんのかたに自作を読んでいただいたり、とても楽しかったです。
それから主催者の青野さん。本当にお疲れ様です&ありがとうございました。
しばらくぶりに、小説を書くことの楽しさを思い出すことができて幸せでした!
■次回(あるかも?)について一言。
次がありましたら、また是非参加したいです! 今回、探偵の皆様が書いてくださった私の癖をよーく吟味して、次こそは分厚〜い覆面をかぶっちゃうぞ〜。うふふ。
文月夕
■サイト名&アドレス
花迷路 http://www6.plala.or.jp/HANAMEIRO/
■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
Cブロック、C-11『ふりさけ見れば春日なる』
http://fukumennkikaku.web.fc2.com/3/fuyu/70817.htm
■ジャンル
現代恋愛もの。
■あらすじ
ある年の大晦日、新幹線から故郷の地に圭子は降り立った。楽しみにしている恒例の帰省、でも胸の重石になっているのは、即答できなかった恋人からのプロポーズ。彼のことは好きだけれど、東京のあの広いばかりの空が、自分の故郷になるなんて――。
■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
こちらです。
■この作品を書くのに、どのくらい時間がかかりましたか?
PCに向かっていたのは合わせても1日弱くらいです。
脳内構想は2〜3日程度。
■推理をかわすための作戦は?
特にありません、というか、かわす気がすでにありませんでした。
むしろ、とっても私らしい作品を書こうと思ってました(←企画の趣旨を誤解してるとしか)。
実際すがすがしいほど高正解率でしたね! はっはっは。
■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?
お題が「空」ということで、飛行機乗りのお話が頭に浮かびました。
それから、やっぱファンタジー書こうかな〜というので、人間に恋した月の神様のお話とか。
■その作品を提出しなかった理由は?
飛行機乗りのお話は、プロット段階で枚数制限に引っかかる予感がしたのと、資料に頼らず書くと薄っぺらになりそうだったので。
ファンタジーのほうは構想がまったくまとまらず。
■作品のネタを思いついたきっかけは?
“夏”で間に合わなかった苦い経験から、とにかく筆が進むお話にしよう、そのためには自分の中から題材を持ってくることだ、と考えました。
そして、「空」というキーワードから思いついた、というか、脳内から引っ張り出してきたのが「東京(関東)の空と広島(瀬戸内)の空」というテーマです。私自身、大学進学で広島から関東に出てきて10年ちょっとになるので。
洗濯物を干しているときに、ぽん、と浮かんだような気がします。ベランダから見える風景に触発されたのかも。
ちなみに年末の帰省の話にしたのは、執筆直前に実際に帰省したからです。どこまで自分の生活切り売りするんだ私。
■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
「違和感」については自分の中にあるものを言葉にするだけでしたが、どう「納得」させるかが悩みの種でした。だって私自身、いまだにあんまり納得いってないんですもん。
それから、舞台について。ほとんどの方が広島と看破されてましたし、実際その通りなのですが、一応完全には特定しない書き方にしてみました。だから路面電車が出てこないんです(笑)
■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
削った、というか、時間と枚数の関係から最初から省いたものがいくつか。(枚数、提出直前まで半分に誤解してました)
主人公が恋人のどのへんに惹かれているのか、具体的なエピソードをひとつふたつ差し挟みたかったのですが、時間内にどうしても思いつかず。そのせいで恋愛感情に説得力がいまひとつ足りなくて、大いに反省してます。
あと、主人公が帰省したのが大晦日の昼、メールが届くのが元旦の夜ということで、元旦の日中のエピソードもすぽんと抜けてるんですよね。ここももう少し書き込んでよかったな、と思います。
ところで心底どうでもいいネタですが、俊輔の名前の由来はセルティックの中村俊輔です。あの顔で読んでください(笑)
■その作品の続編または長編化のご予定は?
ありません。
■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
ひとつは、タイトル。ラスト近くの圭子の台詞を書いた時点で、これは動かせないと思いました。
もうひとつはラストの台詞です。テーマと時節にあわせて、きれいに締められたんじゃないかと思います。(わかりにくいというコメントも頂きましたので、そこは反省点ですが……)
■推理期間中、褒められた点は?
文章について「書き慣れている」「落ち着いている」等のお褒めの言葉をいくつか頂きました。
ここのところ小説執筆からだいぶ離れていて、ぎこちなくなっていないかなと心配でしたので、とても嬉しかったです。
方言は評判良かったみたいです。覆面ズレまくりの見返りはあった感じです。
それから、褒められた点というわけではないのですが、ご自分の土地の雑煮について語ってくださったかたが結構多くて、面白かったです(笑)
ちなみに広島スタンダードは「ゆでた丸餅、すまし汁、はまぐりと鶏肉と野菜(大根、人参、三つ葉、ほうれん草など)」、らしいです(旦那実家がこれ)。ブリが入るというのも聞きます。名産の牡蠣が入る家庭も多い模様。出汁はいりこが正式かなあ。
伝聞なのは、うちの母が生粋の広島っ子ではないせい。実家の雑煮はいろいろちゃんぽんです。実は私、焼いた丸餅+すまし汁育ちです。
■推理されてみて、いかがでしたか?
ドキドキしました〜。意識していた癖(ダッシュ後に句点省略とか、漢字の開き方とか)のほかに、意識してなかった癖も色々指摘していただいて、とても興味深かったです。
アラビア数字と漢数字の使い分けが特徴になるというのは思ってもみなかったので、目から鱗がポロポロ。意識してアラビア数字にしている部分もあるんですが、指摘されて読み返してみたらうっかり普段の(ブログとか書くときの)癖のままで使っちゃってるところも多々ありました。サイトに掲載するときは修正したいと思います。
しかし、意気込みで語り口(文体)が突破口になるだろう、と書きましたが、それ以前にパーソナルデータ(広島出身関東在住、既婚者)が巨大なヒントでしたねorz
そのせいで、文体とか題材とかの話になる前に「これは文月さん!」と断定されてしまうことが多くて、ちょっと寂しかったです(笑)とっても自業自得なんですが。ああもったいなかった。
いままでの覆面企画をあんまりまともにチェックしていなかったので、記号の使い方が大きな推理ポイントになるとはあまり意識しておらず、へー、という感じでした。せめて、そのへんだけでもはぐらかしておけば良かったかな〜と思います。
■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?
C-02『舞夜空(まいよぞら)』(宮武鳴さん)
C-04『起源の探査』(マル太さん)
C-06『ボクらの、冒険前夜。』(よもぎの森さん)
C-12『三つ葉』(凌雪さん)
あと、推理過程で候補にあがったものとしては
C-01『毒』(土岐さん)
C-03『ジンニーと魔法の絨毯』(鶏米チャボさん)
C-08『Deserter's 45 minutes』(深海いわしさん)
C-10『てるてる坊主の気持ち』(天菜真祭さん)
もありました。
C-02には2票。どちらも、短い作品だからというのが理由でした。意気込みに「制限枚数を半分に勘違いしていた!」とか「2〜3日で書きました」とか書いてたことから判断なさったようです。(前者はヒントというにも程があると気づいて、途中で削除しました。すみません)もしかして最大のフェイクは意気込みでしたか。
サイトの作品から私はファンタジー書きだと認識されているようでして、作品ジャンルから推理しようとして悩まれた方もいらっしゃったみたいです。
■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?
鶏米チャボさん(正解はC-03『ジンニーと魔法の絨毯』)
羽津樹透夜さん(正解はC-07『鏡よ鏡』)
深海いわしさん(正解はC-08『Deserter's 45 minutes』)
でした。
■推理してみて、いかがでしたか?
■あなたの正解率、どのくらいでしたか?
すみません、推理できませんでした……。ごめんなさい。
いくつかの作品については「これが○○さんのじゃないか」とこっそり思っていたのですが、それらはわりと当たってました。(分かりやすい人だけ推理していただけとも言う)
■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
小説書いて感想貰うことって楽しいですね!(そこか)
■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
A-11『リワインドの神は虚しき骸にして愚かなる人間。』
A-13『我が家の吾が輩』
B-05『かくして王は』
B-06『未だ凍てつく春の中』
B-10『君の手、そして始まりの空』
B-12『Aurora Breakup』
C-01『毒』
C-07『鏡よ鏡』
C-08『Deserter's 45 minutes』
D-04『腐乱天使』
■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
A-02『タイトル未定』。
えーっ、未定で出しちゃったの!? と思って読んでびっくり。お見事でございました!
■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。
3つだけですか。うーんうーん……
A-13『我が家の吾が輩』
にゃんこ様! に尽きます。ふろ〜らる……。
B-05『かくして王は』
かっこいい! こういう作品かけるようになりたいです。
B-06『未だ凍てつく春の中』
読み返すたびに味わいが深く。静かな雰囲気が素敵でした。
■探偵さんに一言。
推理してくださってありがとうございました! 数字の表記や節の区切り方など、意識していなかった部分にもいろいろと癖を見つけてくださって、目から鱗がぽろぽろでした。
いろいろさらけ出しすぎで、推理を楽しみたかった方には歯ごたえのなかった作品だったとおもいます。すみません。
次回があれば、ぜひとも探偵さんの首をひねらせる一作を提出したいと思います!
■他の参加者さんに一言。
ご一緒できて本当に楽しかったです。ありがとうございました。
色々な作品に出会えたり、たくさんのかたに自作を読んでいただいたり、とても楽しかったです。
それから主催者の青野さん。本当にお疲れ様です&ありがとうございました。
しばらくぶりに、小説を書くことの楽しさを思い出すことができて幸せでした!
■次回(あるかも?)について一言。
次がありましたら、また是非参加したいです! 今回、探偵の皆様が書いてくださった私の癖をよーく吟味して、次こそは分厚〜い覆面をかぶっちゃうぞ〜。うふふ。
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覆面作家企画3”冬” Dブロック感想
2008/02/26(Tue)
【覆面作家企画3”冬”】、Dブロックの感想と、推理の手がかりになるかも? のメモ(主に文体の癖について)です。
普段はネット小説の感想は好きな話にしか書かないのですが、今回は総ざらえしてなんぼの企画かしらと思いますので、全作品についてコメントさせていただきました。
苦手なタイプの作品についてはネガティブな評価もありますが、一個人の感想ということで、どうかご理解くださいませ。
なお、あからさまではないですがネタバレしていますので、本文未読の方はご注意ください。
A、Bと比べて長くなってしまったかも?
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普段はネット小説の感想は好きな話にしか書かないのですが、今回は総ざらえしてなんぼの企画かしらと思いますので、全作品についてコメントさせていただきました。
苦手なタイプの作品についてはネガティブな評価もありますが、一個人の感想ということで、どうかご理解くださいませ。
なお、あからさまではないですがネタバレしていますので、本文未読の方はご注意ください。
A、Bと比べて長くなってしまったかも?
続きを読む
D-01 星下双酌
定休日のお月様と星空の下で酌み交わす。月の琴に耳を傾け、誰にも言えないでいた悲しみを受け止めてもらう。なんて贅沢な夜でしょう。
「星は空へ。そして、月はここに」という台詞のセンスが好きです。
目印にはなるほど、と。書類の作成が人一倍早い佐藤さんが、そのうち主人公の隣に立つようになるのでしょうか?
平易な文章ですが漢字が多め。「無い」「訳」「良い」「真っ直ぐ」など。
D-02 十六年目の「ただいま」
ゾイは自分の望みが叶わないことをどこかで予感していたのかな。声を保存する小瓶は、せめて声だけでも――という想いの現われかも、と思いました。
タルクがゾイの話を疑わずに聞けたのは、タルクもまた同じ力を得て同じものを求めていたから、なんでしょうね。ほんのひととき同じ場所で戦った男の遺品を、3年かけてその娘に渡しに行く――タルク自身のことはラスト近くでさらりと語られるだけですが、彼をそこまで駆り立てた、彼自身の孤独についてもっと語ってくれても良かったかと思います。
漢字多め。「殆ど」「故に」<用語>。所作の細かい描写。
D-03 鏡からの訪問者
そのドキドキは吊り橋効果なんじゃ? とつい思っちゃったり。まあどんなきっかけだって恋してしまえば同じですね。
ぶっきらぼうな灰無くんの妙にストレートな台詞と行動は読んでて照れくさい。いいねえ青春。
死神のお仕事って具体的に何することなんだろう。勝手に任務放棄しちゃってよかったのか? 希望通りに人間にしてあげるなんて上は甘すぎないか? と気になってしまいました。
ネーミングとか、若い方の書いたものかなという印象。「?!」「!?」「〜」の使用。ルビは《》。
D-04 腐乱天使(※注意※)
これまた巧いですね〜! 巧すぎてもう、痛い痛い。「優等生」やってる小学生4年女子の語りがすごくリアルで、なんというか、ぐさぐさ来ます。自分の小学生時代を思い出しちゃったりして。達者なようで舌足らずなところもある語り口なんかも、いかにも「らしい」です。
後半の腐った天使の描写はまさに圧巻。音と匂いが伝わってくるようです。
空ちゃんは、「本当に」主人公の部屋にやってきたのでしょうか? それとも、全ては主人公が視た幻想? 私としては後者の印象でした。
わたし、が平仮名。台詞が地の文に混じる書き方。なんとなく、普段は三人称で書いている方のような気がします。
D-05 巡礼とロバ(※注意※)
なんかこの、不条理感とでも言ったらいいんでしょうか、この独特な感じ。修正入ってないグリム童話を思い浮かべてしまいました。
ロバ曰く「頭の螺子がばらばらに飛び散って」「頭の中がどっか腐ってる」巡礼の、独特の価値観に基づく言動が面白いです。ロバとの掛け合い漫才のようなやり取りとか。微妙な脱力感がなんとも素敵。シリーズもので読んでみたいお話でした。
読点少なめ、漢字が多め。漢字の使い分けにこだわりのある印象。
D-06 空を越えたら
おお〜、青春! というお話でした。ふたりの相性が「独特な比喩表現のシンクロ」で描かれているのが面白い着眼点だな〜と思います。こんなのが重なればそりゃあ相手を意識しちゃうよね!
青春って、恋愛って、とっても恥ずかしい。でも、恥ずかしいよね〜って外から見て笑ってるだけじゃ何も変わらない。恥ずかしい場面にどーん! と踏み込んでしまえばあら不思議、意外と気持ちいいものだったりするんですよね。
主人公の心境の変化をとても丁寧に追っていて、「恥っずかしい〜」を主人公と一緒に堪能できました。いいなあ、若いって。
D-07 そらをみた人魚姫
アンデルセンの「人魚姫」の、その後の物語。
姫が初めて見る夜空と夜明けの描写が綺麗でした。それを見た姫の感情がねっとり書いてあると、さらに好みだったんですが。
禁令を廃止するために自分がトップに立ってしまおうというのは、なんとも前向きな人魚姫。姫の苦労が「がんばりました」というだけであまり具体的でないのが残念でした。父王を追い落とすわけですから、もっとドロドロした色々があったんじゃないかな〜と思ってしまいます。
名前も出ない友人が印象的。戴冠役ということは、祭礼を司るセクションのトップにいたりするのでしょうか。これからも女王の参謀として陰ながら大活躍してくれそうな予感です。
D-08 灼けた空に手を伸ばす(※注)
永い年月を孤独に生きてきた吸血鬼の独白。
「彼女」の内面が一切描写されないので、吸血鬼との暮らしで何を思い、何のために吸血鬼に死を与えに戻ってきたのかは謎のままです。「」のついた彼女の台詞が「冷たい」そして「空は、もっと青い」のたったふたつだというあたりからも、吸血鬼に空を見せてやろうとしたのかな、と思いました。もちろん吸血鬼を滅ぼすのが主目的ではあったでしょうが。(でなければ他の人間は連れてこないでしょう)
死の苦痛とひきかえにせめてと望んだ青空さえも目にすることは叶わない。ひとかけらの救済も否定する結末に、闇の生き物の悲哀を感じます。
D-09 ボクの赤い手
一見かなちゃんがひどい子のようですけど、ユーレイをつかまえられるから高木君の手を気に入った真理ちゃんも、お母さんにランドセルを片付けさせる高木君も、担任教師を容赦なくハゲメガネとか呼んでる二組の児童たちもみんな、それぞれに自己中心的だったりして、そういうのが子供らしいなあと思って読みました。
D-10 ハンガー・ストライキ
なんというか、今風の小説という感触でした。好きな人はすっごい好きだと思う。でも申し訳ないけど個人的には苦手ジャンルなのです。苦手なんだけどなんとなく惹かれるものもあるのです。うーん、言葉にするの難しいな……。
突拍子も無い行動と、それを何でもないことのように淡々と流していく二人の態度が、いまどきの高校生っぽいなという感じ。いまどきの子って器用すぎて不器用ですよね。ストレートに感情ぶつけ合うなんて、かっこ悪くてやってらんないんだよねえ。
文体というか、文章に漂う空気こそが癖かなと。フェイクだったら脱帽します。
D-11 獣王の眼
グリグリの悲しみとバルバラの覚悟はよく伝わってきましたが、この短さでは語り尽くされないことが多すぎてちょっと消化不良ぎみ。もう少し長い話で読みたいなあ。
最初に足掻いたのは誰だったのでしょう。世界を護るものである『始まり』かな?
漢字の多さ、装飾の多い文体、「々」の不使用、笑い声の文字化、(内面の声)――、読点で終わる台詞、三点リーダの個数、?!。個性的な文体ですが、ある程度はフェイクかと? コメディも結構書いてらっしゃる印象。
D-12 空の君(※注)
うわあ。き、きっつい話だわ……。
裸の上半身から目を逸らしてみたりキスしたい衝動に駆られたり一線を越える夢を見たりと、主人公の弟への恋心の描写がなんとも生々しい。男性サイドならこういう描写も珍しくないですけども、女性サイドだと途端に強烈にりますね。恋愛の、きれいなばかりじゃない部分を突きつけられている気分です。
弟の立場で考えると実にヘビィな状況ですよね。ほとんど倍の年齢の、姉と思っていた人から「そういう」目で見られるって。
主人公が暴走しなければこれからも二人で暮らしていけたんでしょうか。それが幸せだったかも分かりませんけれど。
定休日のお月様と星空の下で酌み交わす。月の琴に耳を傾け、誰にも言えないでいた悲しみを受け止めてもらう。なんて贅沢な夜でしょう。
「星は空へ。そして、月はここに」という台詞のセンスが好きです。
目印にはなるほど、と。書類の作成が人一倍早い佐藤さんが、そのうち主人公の隣に立つようになるのでしょうか?
平易な文章ですが漢字が多め。「無い」「訳」「良い」「真っ直ぐ」など。
D-02 十六年目の「ただいま」
ゾイは自分の望みが叶わないことをどこかで予感していたのかな。声を保存する小瓶は、せめて声だけでも――という想いの現われかも、と思いました。
タルクがゾイの話を疑わずに聞けたのは、タルクもまた同じ力を得て同じものを求めていたから、なんでしょうね。ほんのひととき同じ場所で戦った男の遺品を、3年かけてその娘に渡しに行く――タルク自身のことはラスト近くでさらりと語られるだけですが、彼をそこまで駆り立てた、彼自身の孤独についてもっと語ってくれても良かったかと思います。
漢字多め。「殆ど」「故に」<用語>。所作の細かい描写。
D-03 鏡からの訪問者
そのドキドキは吊り橋効果なんじゃ? とつい思っちゃったり。まあどんなきっかけだって恋してしまえば同じですね。
ぶっきらぼうな灰無くんの妙にストレートな台詞と行動は読んでて照れくさい。いいねえ青春。
死神のお仕事って具体的に何することなんだろう。勝手に任務放棄しちゃってよかったのか? 希望通りに人間にしてあげるなんて上は甘すぎないか? と気になってしまいました。
ネーミングとか、若い方の書いたものかなという印象。「?!」「!?」「〜」の使用。ルビは《》。
D-04 腐乱天使(※注意※)
これまた巧いですね〜! 巧すぎてもう、痛い痛い。「優等生」やってる小学生4年女子の語りがすごくリアルで、なんというか、ぐさぐさ来ます。自分の小学生時代を思い出しちゃったりして。達者なようで舌足らずなところもある語り口なんかも、いかにも「らしい」です。
後半の腐った天使の描写はまさに圧巻。音と匂いが伝わってくるようです。
空ちゃんは、「本当に」主人公の部屋にやってきたのでしょうか? それとも、全ては主人公が視た幻想? 私としては後者の印象でした。
わたし、が平仮名。台詞が地の文に混じる書き方。なんとなく、普段は三人称で書いている方のような気がします。
D-05 巡礼とロバ(※注意※)
なんかこの、不条理感とでも言ったらいいんでしょうか、この独特な感じ。修正入ってないグリム童話を思い浮かべてしまいました。
ロバ曰く「頭の螺子がばらばらに飛び散って」「頭の中がどっか腐ってる」巡礼の、独特の価値観に基づく言動が面白いです。ロバとの掛け合い漫才のようなやり取りとか。微妙な脱力感がなんとも素敵。シリーズもので読んでみたいお話でした。
読点少なめ、漢字が多め。漢字の使い分けにこだわりのある印象。
D-06 空を越えたら
おお〜、青春! というお話でした。ふたりの相性が「独特な比喩表現のシンクロ」で描かれているのが面白い着眼点だな〜と思います。こんなのが重なればそりゃあ相手を意識しちゃうよね!
青春って、恋愛って、とっても恥ずかしい。でも、恥ずかしいよね〜って外から見て笑ってるだけじゃ何も変わらない。恥ずかしい場面にどーん! と踏み込んでしまえばあら不思議、意外と気持ちいいものだったりするんですよね。
主人公の心境の変化をとても丁寧に追っていて、「恥っずかしい〜」を主人公と一緒に堪能できました。いいなあ、若いって。
D-07 そらをみた人魚姫
アンデルセンの「人魚姫」の、その後の物語。
姫が初めて見る夜空と夜明けの描写が綺麗でした。それを見た姫の感情がねっとり書いてあると、さらに好みだったんですが。
禁令を廃止するために自分がトップに立ってしまおうというのは、なんとも前向きな人魚姫。姫の苦労が「がんばりました」というだけであまり具体的でないのが残念でした。父王を追い落とすわけですから、もっとドロドロした色々があったんじゃないかな〜と思ってしまいます。
名前も出ない友人が印象的。戴冠役ということは、祭礼を司るセクションのトップにいたりするのでしょうか。これからも女王の参謀として陰ながら大活躍してくれそうな予感です。
D-08 灼けた空に手を伸ばす(※注)
永い年月を孤独に生きてきた吸血鬼の独白。
「彼女」の内面が一切描写されないので、吸血鬼との暮らしで何を思い、何のために吸血鬼に死を与えに戻ってきたのかは謎のままです。「」のついた彼女の台詞が「冷たい」そして「空は、もっと青い」のたったふたつだというあたりからも、吸血鬼に空を見せてやろうとしたのかな、と思いました。もちろん吸血鬼を滅ぼすのが主目的ではあったでしょうが。(でなければ他の人間は連れてこないでしょう)
死の苦痛とひきかえにせめてと望んだ青空さえも目にすることは叶わない。ひとかけらの救済も否定する結末に、闇の生き物の悲哀を感じます。
D-09 ボクの赤い手
一見かなちゃんがひどい子のようですけど、ユーレイをつかまえられるから高木君の手を気に入った真理ちゃんも、お母さんにランドセルを片付けさせる高木君も、担任教師を容赦なくハゲメガネとか呼んでる二組の児童たちもみんな、それぞれに自己中心的だったりして、そういうのが子供らしいなあと思って読みました。
D-10 ハンガー・ストライキ
なんというか、今風の小説という感触でした。好きな人はすっごい好きだと思う。でも申し訳ないけど個人的には苦手ジャンルなのです。苦手なんだけどなんとなく惹かれるものもあるのです。うーん、言葉にするの難しいな……。
突拍子も無い行動と、それを何でもないことのように淡々と流していく二人の態度が、いまどきの高校生っぽいなという感じ。いまどきの子って器用すぎて不器用ですよね。ストレートに感情ぶつけ合うなんて、かっこ悪くてやってらんないんだよねえ。
文体というか、文章に漂う空気こそが癖かなと。フェイクだったら脱帽します。
D-11 獣王の眼
グリグリの悲しみとバルバラの覚悟はよく伝わってきましたが、この短さでは語り尽くされないことが多すぎてちょっと消化不良ぎみ。もう少し長い話で読みたいなあ。
最初に足掻いたのは誰だったのでしょう。世界を護るものである『始まり』かな?
漢字の多さ、装飾の多い文体、「々」の不使用、笑い声の文字化、(内面の声)――、読点で終わる台詞、三点リーダの個数、?!。個性的な文体ですが、ある程度はフェイクかと? コメディも結構書いてらっしゃる印象。
D-12 空の君(※注)
うわあ。き、きっつい話だわ……。
裸の上半身から目を逸らしてみたりキスしたい衝動に駆られたり一線を越える夢を見たりと、主人公の弟への恋心の描写がなんとも生々しい。男性サイドならこういう描写も珍しくないですけども、女性サイドだと途端に強烈にりますね。恋愛の、きれいなばかりじゃない部分を突きつけられている気分です。
弟の立場で考えると実にヘビィな状況ですよね。ほとんど倍の年齢の、姉と思っていた人から「そういう」目で見られるって。
主人公が暴走しなければこれからも二人で暮らしていけたんでしょうか。それが幸せだったかも分かりませんけれど。
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オンライン小説の読み方
2008/02/22(Fri)
日記にも書きましたが、【オンライン小説の読み方】というサイトを製作中です。
(覆面企画推理期間で、ここへのアクセスがそこそこ多くなってるので宣伝してみます・笑)
読者さん向けの、快適なオンライン小説読書案内のサイトです。
とりあえず需要の多そうな「ダウンロード版で読む」のページから編集中。
それぞれの小説サイトさんから、「利用方法はここを参考にしてね」とリンクしてもらえるサイトにできればいいんですが。
「こういう情報が欲しい」「ここの解説が分かりにくい」「○○はこうだよ〜」などなど、ご意見絶賛募集中です。掲示板やうちのサイトのメールフォームなどからでもお気軽にどうぞ。
(覆面企画推理期間で、ここへのアクセスがそこそこ多くなってるので宣伝してみます・笑)
読者さん向けの、快適なオンライン小説読書案内のサイトです。
とりあえず需要の多そうな「ダウンロード版で読む」のページから編集中。
それぞれの小説サイトさんから、「利用方法はここを参考にしてね」とリンクしてもらえるサイトにできればいいんですが。
「こういう情報が欲しい」「ここの解説が分かりにくい」「○○はこうだよ〜」などなど、ご意見絶賛募集中です。掲示板やうちのサイトのメールフォームなどからでもお気軽にどうぞ。
覆面作家企画3”冬” Bブロック感想
2008/02/15(Fri)
【覆面作家企画3”冬”】、Bブロックの感想と、推理の手がかりになるかも? のメモ(主に文体の癖について)です。
普段はネット小説の感想は好きな話にしか書かないのですが、今回は総ざらえしてなんぼの企画かしらと思いますので、全作品についてコメントさせていただきました。
苦手なタイプの作品についてはネガティブな評価もありますが、一個人の感想ということで、どうかご理解くださいませ。
なお、あからさまではないですがネタバレしていますので、本文未読の方はご注意ください。
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普段はネット小説の感想は好きな話にしか書かないのですが、今回は総ざらえしてなんぼの企画かしらと思いますので、全作品についてコメントさせていただきました。
苦手なタイプの作品についてはネガティブな評価もありますが、一個人の感想ということで、どうかご理解くださいませ。
なお、あからさまではないですがネタバレしていますので、本文未読の方はご注意ください。
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B-01 奪われた空
何故だか分からないけれど人が空を飛べ、そして何故だか分からないけれど突然人が空を飛べなくなった世界のお話。
派手な設定をBGMに使いつつ、物語の主軸はあくまでも幼馴染二人の関係、というのがなんだか贅沢な感じです。
人は飛べるけれど他の動物や物は飛べない。そういう世界で人はどんな社会を築いたのか。作中では我々の世界と「大して違わない」というほうを強調されていたけれど、じゃあどんな差異が生まれたのだろうと考えると面白い。
「車や飛行機が普通に発明され」とあったのだけれど、この世界しか知らない彼の「普通」の感覚って、我々とどのくらい違うのだろう? とか。
癖らしいものは、「♪」の使用、三点リーダ直後のスペース。あと、「はたまた」がお好きですか?
B-02 虹のリドル
かわいらしく、優しい童話。しっかり文章力がある人でないと、こういう風には書けないだろうと思います。
ひばりちゃんが怖い目に遭わなくて良かった。
ペガサスの謎かけは意地悪なように見えて、ひばりちゃんがお母さんに虹を見せてあげる方法を気づかせてくれたんですね。
B-03 例え夢を諦めても(beyond the empyrean)
努力する前から門が閉ざされているというのは、しんどいことですよね。でも彼女はその「絶望」から目を逸らさずに、ずっと道を探してきたんだなぁ。
もーちょっと早く言ってやれよ、という気がしなくもないですが(笑)
彼女は彼を選んだ理由を「頑丈だから」しか挙げませんでしたが、彼自身のこともきっと気に入っていたんだろうなと思いました。
ラスト、さらりと別れて終わるのが潔い。しかし読者としては20年後の二人がどうなっているのかとっても気になります。
癖としては、「と言う」「無い」「様な」等、助動詞を漢字で書くこと。台詞と地の文を改行せずに続ける書き方。タイトルのつけ方も参考になりそう。
B-04 冷たい頬(※注意※)
博士の遺した研究を継ぐことは、ルリにとっては二重の意味で博士を追い求めることなんですね。
「私に始まり、彼女に終わる」というのは、夜明けの空と日没後の空ということでしょうか。最後に広がる色のイメージが綺麗ですね。
ルリがこれほどに博士に執着する理由はなんだろう、と思ったのですが、彼女にとっては愛のひとことで説明は十分なんだろうな。
B-05 かくして王は
ぎゃあ、かっこいい、としびれてしまいました。この短さで内容といい描写といいものすごく濃い。作者さん20枚におさめるのに相当苦労されてるだろうな〜。でもこのみっしり具合もまた内容によく合っていると思います。
なんだかうまく言葉にならないんですが、「面白い話を読んだ」というより「凄い話を読んだ」という感じです。
今回ひときわ印象深いお話でした。
B-06 未だ凍てつく春の中
他の作品に例えるのは書き手さんに対して失礼かもしれませんが、『蟲師』を連想しました。(ちなみにあれすんげーいい漫画だと思ってます)
こういう作品を読むと、ストーリーとキャラクター造詣と文体と全部あわせて「小説」という作品なんだなあとしみじみ思います。物語や人物もちろん魅力的だけれど、舞台設定にこの上なく似合う文体がさらに作品を引き立てて、とっても素敵。
最初に流し読みしたときは淡々とした印象だったのですが、読み返して静かに燃える火のような印象も受けました。
救われたのは巴だけではなかったんですね、きっと。
文体はこの作品のために作っていると思うので直接の参考にならなさそう。あえて挙げるなら「肯く」。「頷く」使う人のほうが一般的だと思うので。
B-07 コバルトブルーの骨
少年たちの会話が論理的なようで突っ込みどころ満載だったり、かと思うと呆れるほど想像力豊かだったり、そういうアンバランスさも子供らしくて面白い。
少年たちが会話しながら「骨」を埋める、場面としてはそれだけなのだけれど、「空を支える骨組み」「土の中に空が育つ」といったかれらの空想に、さまざまなイメージがひろがります。
さて彼らが生きているのはどういう世界のどういう時代なのでしょう。海の存在は知っていて、でも海の青は絵物語の挿絵でしか見たことがない。白壁の家や露店の並ぶ町に住んで、近くには畑……ヨーロッパ中世〜近代風のイメージかな?
しかし「コバルトブルー」って合成顔料の原料由来の名前なので、現代ものっぽい印象もあるんですが。はてさて。
癖らしいものは“”の使用でしょうか。あと「出来る」「喩える」「愉しい」の漢字。短文を連ねる書き方。
B-08 青空をさがして
童話、というより、民話のようなお話ですね。それも子供向けにリライトされたやつ。
銀狐の話がいきなり出て来て、それを即座に承諾しちゃう雨降君には「わー、いいの?」と思ってしまいましたが、その突拍子もなさや最後の由来話に持っていくところがまたいかにも民話調で似合ってるように思います。
雪童子ちゃんの「少し乱暴にすれば溶けると怒るし、放っておけばおいたで凍ってしまう」というのがなんとも可愛らしくて、好きな表現です。
文体はこの話向けにある程度作っているだろうと思いますが、台詞に「〜」を使うのは特徴のひとつかと。
B-09 紫に染まる
異世界から来た勇者の魔王退治という大上段のネタを、短編でこんな風に料理してくるとは。着眼点が面白い。
イスカが今いる世界については「昼から夜が一瞬に変わる」という言葉で、元の世界についてはイスカの本名で、短くも的確に示しているなあと思います。語られなかった部分にどんな物語があるのだろうと想像が膨らみますね。
閉じかぎ前の句点。台詞に続ける地の文の字下げなし。記号直後のスペースなし。「・・・」。冒頭にタイトル、結末に「おわり」。書き方に独特の癖が多く、フェイクでなければヒントだらけという感じですね。
B-10 君の手、そして始まりの空
はじめから終わりまで、さまざまな色のイメージが鮮やかな話でした。
短い中にも主人公二人の想いがしっとりと情感ゆたかに書き込まれて自然に気持ちを乗せられます。恋愛もの短編のお手本にしたいような作品ですね。
少女を呼ぶ3つの名前の変遷から、子供から大人の女へと育ってゆく姿が見えるようでした。
こういう、かぎりなく一人称に近い三人称の書き方って、とっても好みです。
「」を一切使わない手法。タイトルにも作者さんの個性が見えるように思います。
B-11 青空の涙(※注)
なんというか、感想を書くのが難しい話です。
透の自分の能力に対する屈託や、「相棒」との過去、自らのクローンとして生まれたはるかにたいする感情、エリスという新米研究員への気持ち。断片的に示されてはいるものの、盛りだくさんな内容に対して枚数があまりにも足りなさすぎるようで、もどかしい思いをしました。
はるかの無邪気な怖さはよく雰囲気が出ていたと思いますが、もっと長い話で読んでみたかったなあ。
あまり癖のない文体だと思います。あえて言うなら、動きの描写の丁寧さ。
B-12 Aurora Breakup
パワフル〜! 有無を言わせぬ勢いがいい。スラップスティックって奴でしょうか。ちょっと違う?
サトルもハルカもロビ太も三者三様に突っ走っててそれぞれズレてんのね。そこが実に可愛い。
新山崎流4八銀とか、電源スイッチが見つからなくてさとか、プッと笑わせるのがうまいなあ。
こういう漫画チックな文体って下手すると一人よがりになりがちだけど、そうならずに読者をうまいこと巻き込んでくれるのは、作者さんの筆力だろうだと思います。
男の人の書いた文章という感じのなまなましさ。それすらもフェイクでなければ。
何故だか分からないけれど人が空を飛べ、そして何故だか分からないけれど突然人が空を飛べなくなった世界のお話。
派手な設定をBGMに使いつつ、物語の主軸はあくまでも幼馴染二人の関係、というのがなんだか贅沢な感じです。
人は飛べるけれど他の動物や物は飛べない。そういう世界で人はどんな社会を築いたのか。作中では我々の世界と「大して違わない」というほうを強調されていたけれど、じゃあどんな差異が生まれたのだろうと考えると面白い。
「車や飛行機が普通に発明され」とあったのだけれど、この世界しか知らない彼の「普通」の感覚って、我々とどのくらい違うのだろう? とか。
癖らしいものは、「♪」の使用、三点リーダ直後のスペース。あと、「はたまた」がお好きですか?
B-02 虹のリドル
かわいらしく、優しい童話。しっかり文章力がある人でないと、こういう風には書けないだろうと思います。
ひばりちゃんが怖い目に遭わなくて良かった。
ペガサスの謎かけは意地悪なように見えて、ひばりちゃんがお母さんに虹を見せてあげる方法を気づかせてくれたんですね。
B-03 例え夢を諦めても(beyond the empyrean)
努力する前から門が閉ざされているというのは、しんどいことですよね。でも彼女はその「絶望」から目を逸らさずに、ずっと道を探してきたんだなぁ。
もーちょっと早く言ってやれよ、という気がしなくもないですが(笑)
彼女は彼を選んだ理由を「頑丈だから」しか挙げませんでしたが、彼自身のこともきっと気に入っていたんだろうなと思いました。
ラスト、さらりと別れて終わるのが潔い。しかし読者としては20年後の二人がどうなっているのかとっても気になります。
癖としては、「と言う」「無い」「様な」等、助動詞を漢字で書くこと。台詞と地の文を改行せずに続ける書き方。タイトルのつけ方も参考になりそう。
B-04 冷たい頬(※注意※)
博士の遺した研究を継ぐことは、ルリにとっては二重の意味で博士を追い求めることなんですね。
「私に始まり、彼女に終わる」というのは、夜明けの空と日没後の空ということでしょうか。最後に広がる色のイメージが綺麗ですね。
ルリがこれほどに博士に執着する理由はなんだろう、と思ったのですが、彼女にとっては愛のひとことで説明は十分なんだろうな。
B-05 かくして王は
ぎゃあ、かっこいい、としびれてしまいました。この短さで内容といい描写といいものすごく濃い。作者さん20枚におさめるのに相当苦労されてるだろうな〜。でもこのみっしり具合もまた内容によく合っていると思います。
なんだかうまく言葉にならないんですが、「面白い話を読んだ」というより「凄い話を読んだ」という感じです。
今回ひときわ印象深いお話でした。
B-06 未だ凍てつく春の中
他の作品に例えるのは書き手さんに対して失礼かもしれませんが、『蟲師』を連想しました。(ちなみにあれすんげーいい漫画だと思ってます)
こういう作品を読むと、ストーリーとキャラクター造詣と文体と全部あわせて「小説」という作品なんだなあとしみじみ思います。物語や人物もちろん魅力的だけれど、舞台設定にこの上なく似合う文体がさらに作品を引き立てて、とっても素敵。
最初に流し読みしたときは淡々とした印象だったのですが、読み返して静かに燃える火のような印象も受けました。
救われたのは巴だけではなかったんですね、きっと。
文体はこの作品のために作っていると思うので直接の参考にならなさそう。あえて挙げるなら「肯く」。「頷く」使う人のほうが一般的だと思うので。
B-07 コバルトブルーの骨
少年たちの会話が論理的なようで突っ込みどころ満載だったり、かと思うと呆れるほど想像力豊かだったり、そういうアンバランスさも子供らしくて面白い。
少年たちが会話しながら「骨」を埋める、場面としてはそれだけなのだけれど、「空を支える骨組み」「土の中に空が育つ」といったかれらの空想に、さまざまなイメージがひろがります。
さて彼らが生きているのはどういう世界のどういう時代なのでしょう。海の存在は知っていて、でも海の青は絵物語の挿絵でしか見たことがない。白壁の家や露店の並ぶ町に住んで、近くには畑……ヨーロッパ中世〜近代風のイメージかな?
しかし「コバルトブルー」って合成顔料の原料由来の名前なので、現代ものっぽい印象もあるんですが。はてさて。
癖らしいものは“”の使用でしょうか。あと「出来る」「喩える」「愉しい」の漢字。短文を連ねる書き方。
B-08 青空をさがして
童話、というより、民話のようなお話ですね。それも子供向けにリライトされたやつ。
銀狐の話がいきなり出て来て、それを即座に承諾しちゃう雨降君には「わー、いいの?」と思ってしまいましたが、その突拍子もなさや最後の由来話に持っていくところがまたいかにも民話調で似合ってるように思います。
雪童子ちゃんの「少し乱暴にすれば溶けると怒るし、放っておけばおいたで凍ってしまう」というのがなんとも可愛らしくて、好きな表現です。
文体はこの話向けにある程度作っているだろうと思いますが、台詞に「〜」を使うのは特徴のひとつかと。
B-09 紫に染まる
異世界から来た勇者の魔王退治という大上段のネタを、短編でこんな風に料理してくるとは。着眼点が面白い。
イスカが今いる世界については「昼から夜が一瞬に変わる」という言葉で、元の世界についてはイスカの本名で、短くも的確に示しているなあと思います。語られなかった部分にどんな物語があるのだろうと想像が膨らみますね。
閉じかぎ前の句点。台詞に続ける地の文の字下げなし。記号直後のスペースなし。「・・・」。冒頭にタイトル、結末に「おわり」。書き方に独特の癖が多く、フェイクでなければヒントだらけという感じですね。
B-10 君の手、そして始まりの空
はじめから終わりまで、さまざまな色のイメージが鮮やかな話でした。
短い中にも主人公二人の想いがしっとりと情感ゆたかに書き込まれて自然に気持ちを乗せられます。恋愛もの短編のお手本にしたいような作品ですね。
少女を呼ぶ3つの名前の変遷から、子供から大人の女へと育ってゆく姿が見えるようでした。
こういう、かぎりなく一人称に近い三人称の書き方って、とっても好みです。
「」を一切使わない手法。タイトルにも作者さんの個性が見えるように思います。
B-11 青空の涙(※注)
なんというか、感想を書くのが難しい話です。
透の自分の能力に対する屈託や、「相棒」との過去、自らのクローンとして生まれたはるかにたいする感情、エリスという新米研究員への気持ち。断片的に示されてはいるものの、盛りだくさんな内容に対して枚数があまりにも足りなさすぎるようで、もどかしい思いをしました。
はるかの無邪気な怖さはよく雰囲気が出ていたと思いますが、もっと長い話で読んでみたかったなあ。
あまり癖のない文体だと思います。あえて言うなら、動きの描写の丁寧さ。
B-12 Aurora Breakup
パワフル〜! 有無を言わせぬ勢いがいい。スラップスティックって奴でしょうか。ちょっと違う?
サトルもハルカもロビ太も三者三様に突っ走っててそれぞれズレてんのね。そこが実に可愛い。
新山崎流4八銀とか、電源スイッチが見つからなくてさとか、プッと笑わせるのがうまいなあ。
こういう漫画チックな文体って下手すると一人よがりになりがちだけど、そうならずに読者をうまいこと巻き込んでくれるのは、作者さんの筆力だろうだと思います。
男の人の書いた文章という感じのなまなましさ。それすらもフェイクでなければ。
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覆面作家企画3”冬” Aブロック感想
2008/02/11(Mon)
【覆面作家企画3”冬”】、Aブロックの感想と、推理の手がかりになるかも? のメモ(主に文体の癖について)です。
普段はネット小説の感想は好きな話にしか書かないのですが、今回は総ざらえしてなんぼの企画かしらと思いますので、全作品についてコメントさせていただきました。
苦手なタイプの作品についてはネガティブな評価もありますが、一個人の感想ということで、どうかご理解くださいませ。
なお、あからさまではないですがネタバレしていますので、本文未読の方はご注意ください。
(2/13、一部修正しました。)
続きを読む
普段はネット小説の感想は好きな話にしか書かないのですが、今回は総ざらえしてなんぼの企画かしらと思いますので、全作品についてコメントさせていただきました。
苦手なタイプの作品についてはネガティブな評価もありますが、一個人の感想ということで、どうかご理解くださいませ。
なお、あからさまではないですがネタバレしていますので、本文未読の方はご注意ください。
(2/13、一部修正しました。)
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A-01 ミズと小さな秘密基地
うっかり先にネタバレ感想を読んでしまったので、この作品の醍醐味を味わい損ねました。残念。
兄弟のほのぼのとしたやりとりが、なんともほほえましいです。「お空はポヨポヨしているんだ」という表現、可愛いなあ。
晴れた日にお空を見ると透明になって消えてしまう、というのは、干からびてしまうということなのでしょうかね。
文章はかなり癖あり。スペースを読点的に使う、擬音のカタカナ書き、「!」直後にスペースなし。
文末には「不機嫌そう。」「満足げ。」のような終わりや、現在形の多用など。
A-02 タイトル未定
「タイトル未定」、というタイトルが、最後にうまく響きあっています。なるほど! と手を打ちました。
ダメダメ男なのに、恋とは困ったもの。主人を罵倒する言葉を並べながらも、ところどころでポロリと本音が零れ落ちちゃってるんですよね。読み返してみるとこれとかあれとかはメイドさんの乙女心なのねー、とクスリときます。
サラリと思いを告げて、きっぱりと背を見せる姿が潔くて素敵です。あのあと主様はどんな顔をしていたのやら。
失恋の切ないお話なんだけれど、主人公の性格と語り口のおかげで、しめっぽくならないのがいいですね。
A-03 公主と鸚鵡
巧いなあ。しみじみと巧い。乾いた砂のにおいのする物語。
架空の国でなく実在した人物や国々を描いて、嘘っぽくもならず資料にも引きずられずというのはひとえに作者さんの力量ですよね。公主本人の言動や心理を直接書いた部分はごく少ないのに、鮮やかに人物像が立ち上がってきます。
短い中にぎゅっとドラマが詰め込まれて、歴史人物伝を読んだような気にもなります。
うたたねから醒めて、夢だったのかとつぶやく公主。どこからが夢で、どこまでが現実だったのでしょうか? 公主はこのさき彼女を待ち受ける運命を夢に見たのか、それとも辿ってきた苛酷な半生を夢に見ていたのか。
謎の残されたラストも味わい深いです。
A-04 アタタカイアメ〜普通に雨が降ること,実は当たり前のことではないのです〜
いろんな味の雨の降る世界。童話というか、絵本のようなお話でした。
「天気予報士」が「雨の日を聞く係り」だったり、「科学者や数学者、物理学者等々の偉い先生方が集まって検討委員会を発足」するというあたりの、固い印象の言葉と裏腹なほのぼの感が、星新一のショートショートとか別役実の童話みたいな印象。
……ところで些細な疑問ですが、「私」はなぜ刺抜きに慣れているんでしょう?
文体は特徴的。1文ごとに行空け、三点リーダひとつ、読点少なめ、漢字使い、「??」など。
フェイク混じりかもしれませんが。
A-05 心残り
「昇天できない理由」を探す、ミステリ仕立て? の短編。
異常事態にしては淡々とした主人公の語り口も、彼女の「心残り」を知れば、なるほどそういう性格なんだなと納得。
案内人が「不良クン」のわりに知的というか、あんまり不良っぽくないので、あえて不良クンというキャラにしなくても良かったのかも。好きですけどねこの案内人氏。最後の台詞がいいな。「いんや」というの、好きです。
TSUNAMIの歌詞が頭にインプットされていないので、ラストにすとんと納得できなかったのがちょっと残念。
文章は平明で読みやすく分かりやすい。普段も現代ものを書いているのではないかな、と思います。擬音はカタカナ。
A-06 鳥籠の唄(※注)
狂った愛情というのは物書きゴコロをくすぐる題材ですよね。
「愛」するのが神や天使で、「恋」するのが堕天使なのでしょうか。愛はひたすらに美しいばかりで在ることができても、恋はそればかりではいられない。
題材はとても好みなのですけれども、ちょっと概念が先行しすぎというか、堕天使たちの狂気にいまひとつ迫力が足りない感じがあって、残念でした。これをリアルに書くのはとても難しいと思いますが……。
描写に抽象的な語句が多めなのが癖でしょうか。
A-07 あいつが残していったもの
空を飛べると信じて、跳んでしまった「あいつ」を語る幼馴染二人。語り手はたぶん女の子で、「あいつ」を幼馴染としてだけでなく、恋の対象としてもこっそり想っていていたのかなぁと思いました。
「あいつ」が空に焦がれ空へ飛んだ理由を、「私」と「彼」が妙に理屈っぽく熱のない口調で語り合っているのは、直後の混乱からは抜け出して、でもまだ感情的に会話できるほど整理できてないという感じでしょうか。
こういう立場に置かれたら、たしかに一歩引いて語るしか出来ないかもしれません。
「私」や「彼」が台詞で間接的に語るだけなので、「あいつ」の人物像があまりはっきりしませんでした。「あいつ」自身の言動が少しでも書かれていれば、もっと鮮明になったかもと思います。
癖としては、読点の少なさ、人物描写(表情や仕草)の割合の多さ。小説的な女言葉をきらう作者さんかも。
A-08 二番目の男
オチありきの話ですね。最後まで読んでから戻って読み直すと、細かい仕込みにニヤリとします。
二号に対して一号と呼ばれた主人公は、自分がかつて通った学校でそう呼ばれていることなど知らず、自分こそ二番手だと思って苦しんで生きてきた。人生って皮肉なもんです。
二号氏に救いの一言を与えてやった主人公ですが、実は彼のほうこそ、自分が追われる立場だったことを初めて知って救われたのかもしれない、と考えるのは穿ちすぎでしょうか。
「同姓同名=二号」というところで、いまやってるNHKの連続テレビ小説を連想してしまいました。偶然かしら?
「?!」の順番で書くのが作者さんの癖でしょうか。シンプルかつわかりやすい文章。言葉遣いなどから作者さんはもの慣れた大人の方という感じ。短編も書きなれてらっしゃるんじゃないでしょうか。
A-09 ネイヴァー・ドール
なんだかとてもつかまえにくい話でした。変な表現ですが、液体めいた印象の話。
主人公の現在と過去と思考が自由自在に入れ替わって読み手を煙に巻く感じ。
ところどころに差し挟まれた、温度までつたわるようなリアルな描写とのアンバランスさに、独特な雰囲気があります。
好き嫌いがはっきり分かれるタイプだと思いました。
A-10 空を見あげて
淡々と残酷な話、という印象。死そのものが、淡々と残酷なものだということでしょうか。
ふと好きな小説の「死なんて、一番ありふれた不幸せじゃないか」という一節を思い出しました。
主人公と奥さんのエピソードが短くも可愛らしい。
ラスト近く、どんよりとした日の光を「美しかった」と表現するところに、主人公の万感の思いが詰まっているのだろうと思います。
A-11 リワインドの神は虚しき骸にして愚かなる人間。(※注意※)
リズム感のある、音の聞こえてくるような文章ですね。
特に繰り返し部分、だんだんクレッシェンド&テンポアップして大音量でぐわーんと鳴り響いて、それからぷつっと音が消えるような。見事です。
リワインドの力を主人公は利用しつくしてきたように見えて、本当はそんな力を持ってしまった運命に復讐するように生きてきたのでしょうか。
望まずして与えられてしまった「力」に苦しんでいたのは彼女も同じだった。最後の最後に主人公はそれに気づいて、でもやり直すことは叶わず無慈悲に彼の命は断ち切られる。悲しいです。
A-12 そらうみそら
「青、銀、黒、ときどき金で、そして赤。」という空のイメージが繰り返されてなんとも鮮やか。
海から空へ、空から海へと、めぐる命の物語ですね。
「えらばれた」がゆえに、かれらは本来の世界から引き剥がされてしまうのでしょうか。
「かみさま」は巫女の少女がとても好きなんですね。不器用な想いの表し方が可愛らしくて、待ち受ける運命が切ないです。
「受けた光を淡くこぼすように笑った。」という一節が、なんだかとても好きです。
A-13 我が家の吾が輩
主人公とサキチのテンポ良い会話が楽しい。にやにやしてしまいます。「1デーケー」とか「ふろ〜らる」とか、サキチの語彙の微妙な舌足らず加減がまた絶妙。「うわ、重っ」「失敬な」「事実だ」「ふむ、ならば良い」この会話最高です(笑)
主人公とのほほえましい会話に、背筋を凍らせる化け猫の笑み、優しい「ボランティア」と、短い中にみっしりと詰め込まれた濃いお話でした。
文章の癖としては、句点なしの三点リーダ文末、“”での強調、短くテンポ良い会話文、といったところ。
うっかり先にネタバレ感想を読んでしまったので、この作品の醍醐味を味わい損ねました。残念。
兄弟のほのぼのとしたやりとりが、なんともほほえましいです。「お空はポヨポヨしているんだ」という表現、可愛いなあ。
晴れた日にお空を見ると透明になって消えてしまう、というのは、干からびてしまうということなのでしょうかね。
文章はかなり癖あり。スペースを読点的に使う、擬音のカタカナ書き、「!」直後にスペースなし。
文末には「不機嫌そう。」「満足げ。」のような終わりや、現在形の多用など。
A-02 タイトル未定
「タイトル未定」、というタイトルが、最後にうまく響きあっています。なるほど! と手を打ちました。
ダメダメ男なのに、恋とは困ったもの。主人を罵倒する言葉を並べながらも、ところどころでポロリと本音が零れ落ちちゃってるんですよね。読み返してみるとこれとかあれとかはメイドさんの乙女心なのねー、とクスリときます。
サラリと思いを告げて、きっぱりと背を見せる姿が潔くて素敵です。あのあと主様はどんな顔をしていたのやら。
失恋の切ないお話なんだけれど、主人公の性格と語り口のおかげで、しめっぽくならないのがいいですね。
A-03 公主と鸚鵡
巧いなあ。しみじみと巧い。乾いた砂のにおいのする物語。
架空の国でなく実在した人物や国々を描いて、嘘っぽくもならず資料にも引きずられずというのはひとえに作者さんの力量ですよね。公主本人の言動や心理を直接書いた部分はごく少ないのに、鮮やかに人物像が立ち上がってきます。
短い中にぎゅっとドラマが詰め込まれて、歴史人物伝を読んだような気にもなります。
うたたねから醒めて、夢だったのかとつぶやく公主。どこからが夢で、どこまでが現実だったのでしょうか? 公主はこのさき彼女を待ち受ける運命を夢に見たのか、それとも辿ってきた苛酷な半生を夢に見ていたのか。
謎の残されたラストも味わい深いです。
A-04 アタタカイアメ〜普通に雨が降ること,実は当たり前のことではないのです〜
いろんな味の雨の降る世界。童話というか、絵本のようなお話でした。
「天気予報士」が「雨の日を聞く係り」だったり、「科学者や数学者、物理学者等々の偉い先生方が集まって検討委員会を発足」するというあたりの、固い印象の言葉と裏腹なほのぼの感が、星新一のショートショートとか別役実の童話みたいな印象。
……ところで些細な疑問ですが、「私」はなぜ刺抜きに慣れているんでしょう?
文体は特徴的。1文ごとに行空け、三点リーダひとつ、読点少なめ、漢字使い、「??」など。
フェイク混じりかもしれませんが。
A-05 心残り
「昇天できない理由」を探す、ミステリ仕立て? の短編。
異常事態にしては淡々とした主人公の語り口も、彼女の「心残り」を知れば、なるほどそういう性格なんだなと納得。
案内人が「不良クン」のわりに知的というか、あんまり不良っぽくないので、あえて不良クンというキャラにしなくても良かったのかも。好きですけどねこの案内人氏。最後の台詞がいいな。「いんや」というの、好きです。
TSUNAMIの歌詞が頭にインプットされていないので、ラストにすとんと納得できなかったのがちょっと残念。
文章は平明で読みやすく分かりやすい。普段も現代ものを書いているのではないかな、と思います。擬音はカタカナ。
A-06 鳥籠の唄(※注)
狂った愛情というのは物書きゴコロをくすぐる題材ですよね。
「愛」するのが神や天使で、「恋」するのが堕天使なのでしょうか。愛はひたすらに美しいばかりで在ることができても、恋はそればかりではいられない。
題材はとても好みなのですけれども、ちょっと概念が先行しすぎというか、堕天使たちの狂気にいまひとつ迫力が足りない感じがあって、残念でした。これをリアルに書くのはとても難しいと思いますが……。
描写に抽象的な語句が多めなのが癖でしょうか。
A-07 あいつが残していったもの
空を飛べると信じて、跳んでしまった「あいつ」を語る幼馴染二人。語り手はたぶん女の子で、「あいつ」を幼馴染としてだけでなく、恋の対象としてもこっそり想っていていたのかなぁと思いました。
「あいつ」が空に焦がれ空へ飛んだ理由を、「私」と「彼」が妙に理屈っぽく熱のない口調で語り合っているのは、直後の混乱からは抜け出して、でもまだ感情的に会話できるほど整理できてないという感じでしょうか。
こういう立場に置かれたら、たしかに一歩引いて語るしか出来ないかもしれません。
「私」や「彼」が台詞で間接的に語るだけなので、「あいつ」の人物像があまりはっきりしませんでした。「あいつ」自身の言動が少しでも書かれていれば、もっと鮮明になったかもと思います。
癖としては、読点の少なさ、人物描写(表情や仕草)の割合の多さ。小説的な女言葉をきらう作者さんかも。
A-08 二番目の男
オチありきの話ですね。最後まで読んでから戻って読み直すと、細かい仕込みにニヤリとします。
二号に対して一号と呼ばれた主人公は、自分がかつて通った学校でそう呼ばれていることなど知らず、自分こそ二番手だと思って苦しんで生きてきた。人生って皮肉なもんです。
二号氏に救いの一言を与えてやった主人公ですが、実は彼のほうこそ、自分が追われる立場だったことを初めて知って救われたのかもしれない、と考えるのは穿ちすぎでしょうか。
「同姓同名=二号」というところで、いまやってるNHKの連続テレビ小説を連想してしまいました。偶然かしら?
「?!」の順番で書くのが作者さんの癖でしょうか。シンプルかつわかりやすい文章。言葉遣いなどから作者さんはもの慣れた大人の方という感じ。短編も書きなれてらっしゃるんじゃないでしょうか。
A-09 ネイヴァー・ドール
なんだかとてもつかまえにくい話でした。変な表現ですが、液体めいた印象の話。
主人公の現在と過去と思考が自由自在に入れ替わって読み手を煙に巻く感じ。
ところどころに差し挟まれた、温度までつたわるようなリアルな描写とのアンバランスさに、独特な雰囲気があります。
好き嫌いがはっきり分かれるタイプだと思いました。
A-10 空を見あげて
淡々と残酷な話、という印象。死そのものが、淡々と残酷なものだということでしょうか。
ふと好きな小説の「死なんて、一番ありふれた不幸せじゃないか」という一節を思い出しました。
主人公と奥さんのエピソードが短くも可愛らしい。
ラスト近く、どんよりとした日の光を「美しかった」と表現するところに、主人公の万感の思いが詰まっているのだろうと思います。
A-11 リワインドの神は虚しき骸にして愚かなる人間。(※注意※)
リズム感のある、音の聞こえてくるような文章ですね。
特に繰り返し部分、だんだんクレッシェンド&テンポアップして大音量でぐわーんと鳴り響いて、それからぷつっと音が消えるような。見事です。
リワインドの力を主人公は利用しつくしてきたように見えて、本当はそんな力を持ってしまった運命に復讐するように生きてきたのでしょうか。
望まずして与えられてしまった「力」に苦しんでいたのは彼女も同じだった。最後の最後に主人公はそれに気づいて、でもやり直すことは叶わず無慈悲に彼の命は断ち切られる。悲しいです。
A-12 そらうみそら
「青、銀、黒、ときどき金で、そして赤。」という空のイメージが繰り返されてなんとも鮮やか。
海から空へ、空から海へと、めぐる命の物語ですね。
「えらばれた」がゆえに、かれらは本来の世界から引き剥がされてしまうのでしょうか。
「かみさま」は巫女の少女がとても好きなんですね。不器用な想いの表し方が可愛らしくて、待ち受ける運命が切ないです。
「受けた光を淡くこぼすように笑った。」という一節が、なんだかとても好きです。
A-13 我が家の吾が輩
主人公とサキチのテンポ良い会話が楽しい。にやにやしてしまいます。「1デーケー」とか「ふろ〜らる」とか、サキチの語彙の微妙な舌足らず加減がまた絶妙。「うわ、重っ」「失敬な」「事実だ」「ふむ、ならば良い」この会話最高です(笑)
主人公とのほほえましい会話に、背筋を凍らせる化け猫の笑み、優しい「ボランティア」と、短い中にみっしりと詰め込まれた濃いお話でした。
文章の癖としては、句点なしの三点リーダ文末、“”での強調、短くテンポ良い会話文、といったところ。
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