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迷路地図

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覆面作家企画4 後書き

2009/09/09(Wed)
覆面作家企画4も無事正解発表を迎えました。主催のネジ子さん、ありがとうございました&お疲れ様でした。
というわけで、企画のテンプレートを利用した後書きです。「続きを読む」からどうぞ。(javascriptオフのかたは反転お願いします)
かなり長いのでお覚悟ください。

続きを読む
■作者名
文月夕

■サイト名&アドレス
花迷路
http://www6.plala.or.jp/HANAMEIRO/

■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
A11『かえりみち』
http://maskwriter.web.fc2.com/sakuhinac/a11.htm
どうでもいい話ですが覆面3ではC11でした。11という番号に縁があるのだろうか。

■ジャンル
現代恋愛。のつもりでしたが現代FTのほうがいいのかも。

■あらすじ
真夏のある日、予備校帰りの「僕」は、隣家の幼馴染、瑞希に呼びとめられる。戸惑いながらも僕は瑞希と肩を並べて帰り道をたどった。その夜、部屋を訪れた瑞希に、僕は言いたかったことを伝えられず……。そして十年後の夏。帰省した僕の前に現れた瑞希は、十年前と全く変わらない姿をしていた。

■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
http://www.hanameiro.net/meilog/nicky.cgi?DT=20090801A#20090801A

■推理をかわすための作戦は?
自覚していた書き癖はいくつか改めました。アラビア数字の使用とか、ダッシュ後句点なしで改行とか、()で心の声を表すとか、強調のために行を空けるとか、わざと漢字を開くとか、そのへん。文体についてはとにかく無個性方向を心がけました。
そして一人称。私が書くものは男が「俺」、女が「あたし」もしくは「私」という組み合わせがほとんどなので、ここはあえて「僕」と「わたし」で。
できるならこの機会に普段書かない題材や雰囲気にもチャレンジしてみたかったんですが、……そんな能力あるならこんなに更新滞ってないよという(涙)

■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?
意気込みテンプレにも書きましたが、プロットや冒頭を書いてみたものがほかに二作ほどありました。。
「あの坂をのぼれば」というお話を下敷きにした少年二人の友情ものと、主人公の帰還シーンから始まる異世界トリップもの。

■その作品を提出しなかった理由は?
一作目、気が付いたらテーマが前回の覆面提出作とそっくりになってしまい…… orz
二作目は別れのシーンのイメージだけは出来たものの、どうにもこうにも先に進まずギブアップしました。

……で、結局提出した作品も「結婚を控えた二十代後半の主人公が長期休みに地元に帰る話」てとこが前回作とまるかぶりなんですよね。なにやってんだ私は。

■作品のネタを思いついたきっかけは?
・“I miss you”な話が書きたいな〜(少し前に読んだ漫画の影響)
・年齢を特定されないためにも主役はティーンエイジャーでしょう!
・現代もの書くなら推理期間に季節あわせたい。
・お題は道。道ねえ、道……
・おおっと帰省の切符手配しなきゃな、今年は初盆だから大変だ〜、……はッ!?(きゅぴーん)
てな流れで、「死んだ幼馴染がお盆にあの世から帰ってくる」話が降りてきました。

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
前半パートで、瑞希が死者であることをほんのり匂わせつつ、そうでないようにも読めるような伏線の張り具合に苦心しました。しかし、ご感想を見る限りだとわりと「すぐわかった」という方が多かったようです……(これは他の作品の影響もあったようですが)。とはいえ後半パートになるまでわからなかったという方も何人かいらっしゃったし。まあまあの出来になったのではないかと。

■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
ヒロが瑞希を抱きしめる場面。腕の中の瑞希の輪郭がだんだん薄れ、ついに消えてしまう……という展開も考えていて、どうしようかすごく悩みましたが、結局却下。消えてしまうほうが切なさが増すかなと思ったのですが、ここで瑞希が消える必然性がないし、今回はわりと淡々とした話にしたかったというのもありまして、却下となりました。これから瑞希がどうなるのか、ヒロとこの先も会うことがあるのかは、読者様の想像に任せたいと思います。
生前の瑞希とヒロのエピソードとか、ヒロの結婚相手がどんな女性かとかも入れたかったんですが、下書き時点で十八枚こえてしまったのですっぱりあきらめました。後者については、これは瑞希とヒロの話なので、入れなくて正解だったかなという気もします。
あと、もっのすごくどーでもいい設定ですが、ヒロの苗字は菊地です。フルネーム菊地比呂志。ほんとにすごくどーでもいいな。

■その作品の続編または長編化のご予定は?
続編や長編化は考えていませんが、広島弁&ご当地風物バージョンを書いて、前回の『ふりさけ見れば〜』とあわせてシリーズにしてみるのも面白いかなと思っています。
……でも作中のお盆習俗って広島のものじゃないかも。

■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
主人公のキャラクター。あらすじと雰囲気(淡々)と人称(僕)を決めた時点でほぼ固定され、あとは主人公が勝手にラストまで連れて行ってくれました。地味なキャラですがなんか愛着があります。
文章だと
> つめたい、つめたい瑞希の身体を、僕は長いこと抱いていた。
気に入っているというか、あー自分の文章だなあと思う一文です。

■推理期間中、褒められた点は?
お褒めの言葉がわりと多かったのは小道具としての煙草の使い方です。迎え火でもあり、少年から大人になるヒロを象徴するアイテムでもあり、という。
最初は単に、ヒロが自室で火を使ってもおかしくないアイテムとして思いついただけなんですが、予想外に活躍してくれました。最初に煙草を取り出すシーンで脳内ヒロに「ところであんたなんで煙草持ってんの」と訊くとペラペラ言い訳はじめてくれまして。10年後の場面でもやっぱりうだうだ言ってくれて。実際そのシーンを書くまで考えてもいなかった使い方でしたが、結果的にいいアイテムになってくれて万歳です。

■推理されてみて、いかがでしたか?
大人ですね、と言われました……ありがとうございます。でも実は若ぶるつもりだったんです。高校生カップルの話にしてトシごまかそうとするはずだったんです。なのにどーして10年後を書いちゃうの私。
覆面3のときと比べると、前述の対策のおかげか文章から名指しされるのは減りました。でもダッシュや三点リーダで指摘されちゃった。次があるなら気をつけます。
漢字や記号をヒントに特定しにきた方がわりと迷ってらっしゃったのに対して、全体の雰囲気重視で当てに来たかたの正解率が高かったような。すみません作品の幅せまいんです……。

■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?
掲示板や参加者さまのブログ等を拝読した限りでは、正解の「A11 かえりみち」には5票。「A09 空の果て、あの道に」に2票、「A01 締切直前における特定の覆面作家企画4参加希望者の漸近線的記録あるいはマグネシウム燃焼時的アイデア」と「A03 アガトの巡礼」に1票ずつ。
ついでに、最終的に正解だった方が「こっちかも?」と挙げていた作品では、「A04 クロランドの流れ矢」「A05 狼は邪心を知る」もありました。
「わーん当てられた〜」と思った記憶ばかりあるんですが、こうして数字を見てみるとそれほど鉄板でもなかったみたいですね。なんかちょっと嬉しい。

ところで、A01ではないかと推理された根拠に「理系っぽいから」というのがあったようですが、すみません、わたくしバリバリの文系卒です、ぶんがくぶです(笑)理系と言われるとなんかこそばゆい……。

■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?
ええと、“私の作品の書き手とされた作者さん”、ですよね。
玖乃さゆらさん、ぷよ夫さんに2票ずつ、虹屋よしゆきさん、星間種子さんが1票ずつでした。
A09の玖乃さゆらさんと入れ替わっているパターンが2つ。全員当てはめでなくぷよ夫さんを当てに来て「かえりみち」にしているパターンが2つ。お二方と文章が似ているのかな?

■推理してみて、いかがでしたか?
すみません……(土下座)

■あなたの正解率、どのくらいでしたか?
すみません……(土下座その2)
いや、内心で「この人かな〜」とか思ってた作品はあったのですが。それも惨敗な感じ。もしくはカンニングしすぎて混乱。

■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
人の好みはそれぞれだなあとしみじみ思いました。自作にいただいた感想でもそうですし、ほかの方の作品でも自分が「うわあこれすげぇ!好きすぎる!」と思った作品が別の人の評価ではそれほどでもなかったリ、逆に自分では苦手だった作品をべた褒めしている人がいたり。面白いものですよね。
自分については、書きたいものしか書けないんだなあと実感。「覆面をかぶるための作品」がぜんぜん書けなかったんです。話は思いついても、それを書く意味を自分に問うた時点で却下になってしまう。自分のかたくなさに苦笑することしきりでした。

■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
A07「ドM道」
B04「坂を下る」
B07「俺は不良」
B09「我往此道」
B11「本とキム子とスイカバー」
D03「ナキオニ」
E05「夏椿の咲く庭で」
F02「ばみゅーだ☆とらいあんぐる」
F09「シーキング☆ザ・プリンセス」
G08「父へ」
G11「旅は道連れ世はソーダ味」

全作読破しましたが読み込みの度合いが違うので、のちほど追記するかもです。


■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
A04「クロランドの流れ矢」翻訳ものっぽいセンスが好きです。
A05「狼は邪心を知る」タイトルの謎に悩まされましたし、自力で解けたときの爽快感がまた格別でしたので。
A07「ドM道」そっちかよ!と(笑)
B11「本とキム子とスイカバー」ぽんぽんとしたリズムの良さが好き。
G08「父へ」このシンプルさが。

■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。
G08「父へ」ずぎゅーんと来ました。そして作者様を知ってびっくり、あとがきを読んでさらにびっくり。
あと2作品はまだ決められない……全作感想書いてから追記します。
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覆面作家企画4 Aブロック感想

2009/09/07(Mon)
Aブロック感想、を書く予定の記事です。取り急ぎいばっておきたい(笑)ネタがあったのでアップしておきます。感想は後日、下から順に追加していくつもりです。

続きを読む
A01  締切直前における特定の覆面作家企画4参加希望者の漸近線的記録あるいはマグネシウム燃焼時的アイデア
A02  □□■□□   □□□■□
A03  アガトの巡礼
A04  クロランドの流れ矢
A05  狼は邪心を知る
タイトルの意味わかりましたよ! 「英語版の“蛇の道は蛇”」!(反転してください) 同ブロックだから分かっても言えなくてうずうずした〜。すみません、それだけ叫びたかったのです。ちゃんとした感想は後日!

A06  たとえ何があっても
A07  ドM道
A08  大都会の秘密基地
A09  空の果て、あの道に
A10  月のゆりかご
A11  かえりみち
A12  もんどう
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覆面作家企画4 Eブロック感想

2009/08/30(Sun)
Eブロックの感想です。書けるたびに追加していきます。読んだ順に下から行きます。
ネタバレの有無を考慮していませんのでご注意ください。
できるだけ正直に書こうとしたら、自分の筆力やら枚数制限やらいろいろと棚に上げて文句つけまくったものになってしまっております……。ご不快になられましたら申し訳ないです。
※正解発表後も基本的に作者さんが誰かは意識せずに書いてます。

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E01  コロンナ33遅き午餐

E02  サクラ散る


E03  Down Your Way
なんかこう、美味しそうな食べ物の匂いだけ嗅がされて、食べさせてもらえずオシマイ、てな気分です。すごいドラマがあったんだなというのはわかるのだけど、具体的に何があったのか読みとれないもんだから、二人の会話に感情移入できない。かろうじて、レージは曹長がすごく好きなんだなー、というぐらい。
ええと、パラス隊長が犯罪者で(軍物資横流しとか麻薬どうこうとかそのへんだろうか)、その罪をヒラ隊員2人がかぶらされて処刑、真実を知ったカン曹長が自分の恋人でもあった隊長を殺害し、その罪でテラ送り……ということでいいんだろうか? 

E04  地球全周1/40000000と少しの世界
いやはや、何度「……って妄想かよ!」と突っ込んだことでしょう。そして次はだまされないようにしよう、と構えて読むのに……まただまされるんですよ。いかにも妄想っぽいものもある一方で、非常に地味な、すごくありそうな女子高生の日常が混ぜ込まれているんだもの……。
そしてだんだん巻き戻しが長くなって、実は学校にすら行ってませんというところでぞくりと怖くなりました。うわお、と。
で間髪いれず章替え、のほほんとした解凍編で脱力。いやもう、振り回されました、脱帽。

ところで、
> ――そうだったらいいのに。
が出てくるたびに「そ〜うだったらいいのにな〜♪」という歌のフレーズが脳内リピートされたのは私だけでしょうか(笑)。

E05  夏椿の咲く庭で
落語家さんや江戸下町ものの小説を連想する語り口がいい。すごい好み。
>必死で走りました。必死で走りましたよ。
ここ好きです。シンプルで、淡々としているようで、それでいて強い思いがつたわってくる。
中年男性の語りと思いきや、じわじわと狐さんなのが分かってくる構成も楽しかったです。そして、ただの人情話で終わらないで、オチというか「おいおいっ」というポイントを最後にぽんと投げてくるのがまた、お話を印象深いものにしてて。賊の正体がお坊様なのは間違いないのでしょうが、何故? というところを考える楽しみがある。巧いなあっ。
後日追記:あ、狸さんかもしれない?

E06  ただいまセルフィ
セルフィという存在がすごく独特で、いろいろ考えさせられました。自分の行動や感情を追体験させることでどんどん自分そっくりに育てていける相手……これハマるの、わかります。
でも花束はセルフィに秘密を持っていた。自分の体験のうちセルフィに覚えさせるものを取捨選択してきたってことなんでしょうか。人間誰しも自分の嫌なところを見せ付けられたくはないものだし、こういうことはセルフィ持ちの多くがやっていそう。そうするとセルフィって実はどんどん「理想化された自分」になっていく?
それはセルフィの持ち主を追いつめるか、それとも救いになるのか。花束の場合はギリギリで後者だったのでしょう。彼女がセルフィとともに歩む道が明るいものでありますように。

E07  花想
紫桜の述懐にもありますが定良くんが子犬みたいで可愛い……。いじらしかったり、かと思うと強引でマイペースだったりする定良くんのキャラがなかなか好きです。
しかし「あの日のままの定良だ。」の「あの日」はいつなんでしょう? 初めて会った日の姿かと思えば「目の前の男が、ちいさな子供に重なる。」だから青年になっているようだし。冒頭の少年のイメージが強いのでロマンスの甘さに酔いきれないのが残念でした。

E08  人生に乾杯!
わー、かわいいっ。なんかすごく可愛い話でした。うーん、でも、ハッピーエンドの結末部分だけって感じなのでちょっと物足りない。
百花さんは太陽さんに毎日どんな花を選んでたんでしょう? そういうエピソードも読んでみたかったです。

E09  回収者
濃ゆい。画面も濃いし中身も濃い。正直なとこ言いまして、この話をちゃんと理解できた自信はないです。ないんだけど、でも、読んでるとなんか映像が浮かんでくるのがすごい。力のある文章。SF映画を見ているような体感でした。理解しにくいといってもそれは表層的な設定の部分で、物語の根っこにある主人公の想いというのはずっしりと伝わってきた……と、思う。
彼の行く手に光あれ。

E10  見返り坂道具店
歌、とあるけど肝心の歌がないので困ってしまいました……。噂、に変換して読めばいいのかな。
なんでも「そこそこ」レベルの先輩はモテ度も「そこそこ」だと思うんだけど、どうでしょう。怪しい噂さえ頼りたくなる相手というなら、もう非現実的なまでの学園のアイドルが思い人のほうが納得できるような。
恋の叶う香水の効力や、主人公の極端な行動、無慈悲なオチなんかが、グリム童話の現代小説版のような印象。短編らしくまとまった作品だと思います。

E11  幸せの道
隊長かっこいい。しかし傭兵隊の隊長としてはちょっとウェットっていうか、お人よしすぎるような気もしました。あっさり逃がしてくれたけど、目標見つけられませんでしたー隊員帰ってきませんーで通るのかな。まあ傭兵隊だからメンバーの管理は緩そうですが。逃げよう、ってなってすぐ隊長が来て、すぐ目こぼししてくれるので、緊迫感があまりなかったかも。主人公たちが幸せな結末を迎えられたのはよかったです。

E12  世界ノ果テノソノ向コウ
するりと頭に入ってくるSF世界、軽妙な会話と風を感じるアクションシーン。楽しませていただきました。
ジャランが別世界に生きたかったのは、ただ逃げたかっただけなのかな。それとも「別世界に行ける」という自分の仮説を証明したい気持ちもあったのかな。前者だとしたら彼の最後は悲しいけれども(本人が幸せそうなだけに余計に)後者だとしたらすこし救われる。
主人公が民間テクノロイやってる理由が気になります。このお話、シリーズ化しても面白そう。
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覆面作家企画4 Fブロック感想

2009/08/05(Wed)
Fブロックの感想です。書けるたびに追加していきます。今回から、読んだ順に下から行きます。
ネタバレの有無を考慮していませんのでご注意ください。
できるだけ正直に書こうとしたら、自分の筆力やら枚数制限やらいろいろと棚に上げて文句つけまくったものになってしまっております……。ご不快になられましたら申し訳ないです。

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F01  より道
高村君が素敵すぎるんですけど……! 子犬フェイスで子犬的アプローチ(でも身長は170後半)してきて不意に男の顔をする後輩。完璧すぎる! 里奈さんもすげー有能っぽくてかっこいいし、ぜひ幸せになってもらいたいカップルです。優勝したら、って何気にめっちゃハードル高い気がしますが、うん、きっと大丈夫。高村君の普段の子犬っぷりは里奈さんを先輩でいさせてあげるための演技もあったりするんじゃないかなあ。
ネタとしては王道だと思いますが、会話のセンスとか話運びとか、個人的にたいそう好みな作品でした。

F02  ばみゅーだ☆とらいあんぐる
「呼ぶならちゃんとバミューダって呼べ。」ってそれちゃんとしてないから! と思わず突っ込んでしまいました。いいなあこのセンス。大好き。素直になれないいじめっ子くんとその幼馴染の甘酸っぱい青春もの……かと思いきや変身ヒロインと悪の組織の戦いにムーンサルト的着地。でもやっぱり甘酸っぱいネ☆ と、思わず自分の年齢も顧みない語尾で言ってみたくなりました。
どうでもいいがなにげにオージが気になる。王子みたいにキザだからオージ、をわかってて受け入れてるならなかなか素敵な性格だと思うんですが、いかに。

F03  魂に著作権はない
ラストが私の頭ではよく理解できませんでした……がくり。でもSF的恐怖感は伝わってきました。
入れ替わったらまたクローンがいて、のくだりはいかにもSF的で、設定が見事に生きているなあと思ったんですが。
クローンというものが言うなれば「後から生まれた一卵性双生児」であることは現代ではよく知られていると思うので、促成栽培とか記憶の移植とかのこの設定に必要であろう技術に冒頭で触れておいたほうが良かったんじゃないでしょうか。
あと、バディがけっきょくなにをする存在なのかよくわからない……。ずーっと接続切ってても誰も不審がらないものなんでしょうか?

F04  境界線上の魔王
「〜というのは」のところで再読でも思わず吹きます。この気の抜けっぷりが好き。
魔王サマがなぜ道の先へ行くものを止めるのかは結局謎のままなんですね。うう気になる。
ところで詩は残っても詩人の名前は残らない気がいたします(笑)。いやでもどうだろう、ホメロス級なら残りますよね。頑張れ詩人。
セフィラ国となる、と既知のもののように名前だけ出されるのにちょっと違和感。覆面企画の作品だから関連作品とかありませんよね? 未来を示すのであれば名前よりはどんな国になったのかを教えてほしかったです。

F05  宙の道しるべ
ロイディとヒルディアの別れと再会のエピソードは切なくていい。ただそこにたどり着くまで、旅行者の「あたし」→航宙士ゲイル→博士と三段構えになっているのはちょっとくどいような。偉人伝を開くところで場面転換なら次は偉人伝の内容のほうが自然だったかも。(それともゲイルさん視点の場面が偉人伝にあったのかな)博士の研究への打ち込みようがわかる描写があるとヒルディアとのエピソードがいっそう際立ったような気もします。
タイトルへとつなげるラストは綺麗でした。

F06  落とし物
網戸閉めちゃった……!! 博士だめだよそれは化け猫のわざだよ! と、思わず関係ないところにツッコミを。
可愛らしくも切ないお話でした。雨の日に博士と娘と孫のチャロがいて、自転車に撥ねられて、唯一の生き残り(と思われた)チャロだけ拾われた……ってことなんでしょうかね。博士がチャロが孫だってことを忘れてもチャロのところに来るのは忘れないのは、チャロへの愛の強さなのかな。
博士の記憶をチャロが拾い集めて渡してあげられればいいのに、と思いました。

F07  偽りだらけの道筋
アメリカだぜ!西部劇だぜ!舞台に見事にマッチした登場人物の軽妙な台詞回しが楽しいです。なんとなく、テレビで吹き替え版ドラマを見ているような感じ。
マディとジョスは最後までお互いを想い合っていたんでしょうね。哀しいな。でも西部の女はたくましい。
ジョニー・ボーイがけっきょく傍観者で全然役に立ってないのは作者さんきっとわざとですよね。がんばれ保安官!

F08  からたちの歌
幼いころから一緒に遊んだ僕と彼女とコウスケ。彼女が死んでしまってそれを受け入れられなくてどうこう、みたいな話かと思って読んでいたら意外な方向へ。「コウスケ」は遊んでいるといつのまにか一人増えている座敷わらしみたいな存在だったのでしょうか。彼女はそれに気がついてからたちの生垣に逃げ込み、僕は彼女もコウスケも忘れて成長した、ということ?
輪唱のモチーフ、ラストで冒頭のシーンに戻ること、そして「この道も、ずっと続いてゆくんだよ。」の一文。もしかして彼らは永遠にこの道を歩き続けるのでしょうか。メビウスの輪のごとく。
ひたひたと静かに怖い、とても夏らしいお話でした。

F09  シーキング☆ザ・プリンセス
サ、サド王子!(笑)
ツッコミつきのヤングな口調で語られる昔話と差し挟まれる男女の会話に首をかしげつつ読んでたら生まれ変わりとな。しかも男女逆転の。そりゃあ「いやというほど知って」ますね。「ド変態!!」とか言いたくもなりますよね。
しかし男姿に戻った王子ったら、わざわざ深窓の姫のとこまできて“復讐”してから陣地に戻って侵略開始〜、なんですよね。そんなに愛しちゃってたんですね。すごい歪んでるけど。
テンポのいい文章に先の読めないストーリー。いやあ、面白かったです。一気に読んでしまいました。現世でも立場の弱そうな悠一郎くんに頑張れと言いたい。
「ていうか子育てに失敗してる時点で名君の評価も微妙だよな。」の台詞に「確かに!」となんか納得してしまいました。まあ名君には子育てしてる暇もないのかもしれませんが。

F10  ひとつの道からはじまる
うーん、残念ながら説明不足の感が強い話でした。「わたし」が「《愛》というもの」を怖がるようになったのはいつからなのか?とか(10年前と読めるけど、弟が死んでから幸せだった、怖くなかった、とあるからその前はやっぱり怖かったのか? あ、「愛されていない」→弟の死→「愛されて幸せ」→両親の死→「愛が怖い」なんでしょうか)。
少女のママに何が起きたのか、生死は? とか。弟に似ていることが理由になりうるのはなぜ?(それまでの部分からは主人公にとって弟が庇護すべき対象であった感じがしない)とか。
途中で少女に視点が移るのは区切り記号でわかるんですが、視点がまた唐突に主人公に戻ってくるのもあって、頭こんがらがりました。読解力なくて申し訳ないです。


F11  あわい物語
分かれ道で罪を問うところの、問われる罪の微妙なちっちゃさに絶妙なリアリティがあって、自分に置き換えて想像してひーっとなりました。悪いことしのは確かだけど、古い罪の記憶をこうやっていちいちほじくられたらたまんないでしょうね。
しかし、死神さんなのに、一緒にてくてく道をたどらないと、天国行きか地獄行きか迷い込んだだけのうっかりさんかわからないんでしょうか。それは確かに忙しい。死神さんお疲れさまでーす。
はっ、うっかり迷い込んでも、いいことしてなかったらそのままあの世行きコースですか、もしかして? がんばっていいことしなくては。

F12  誰そ彼は
回想での先生の所業がひどすぎて、本気でむかついてしまいました。
そういえば小学校の図工の時間ってパレットに出す色まで指定されたりとか、実際ありました。教えるほうも美術専門じゃないですし、マニュアル通りにしか指導できない先生もいるんでしょうね。さすがに「赤い空なんてあるわけない」は大人の常識としてどうなんだという気がしなくもないですが。でも主人公が赤い空を描き続けることになるエピソードとしてはすごい強烈で、説得力ありました。
話の展開はそこから意外な方面に行ってびっくり。彼女は自分の絵の中に囚われたまま、永遠に赤い空を描き続けるのでしょうか。
ところで去年が「空」で今年が「道」って覆面企画ネタですよね。くすりと笑わせていただきました。えっ、もしかしてこの作品は昨年出したかったのに不幸に見舞われた作家さんがあっちの世界から……いやいや。
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覆面作家企画4 Gブロック感想

2009/08/03(Mon)
Gブロックの感想です。書けるたびに追加していきます。
ネタバレの有無を考慮していませんのでご注意ください。
できるだけ正直に書こうとしたら、自分の筆力やら枚数制限やらいろいろと棚に上げて文句つけまくったものになってしまっております……。ご不快になられましたら申し訳ないです。

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G01  柵の向こう側へ
冒頭のレクスという生き物の描写がすてきで、おお異世界もの来ました〜、というわくわく感がありました。個人的にはレクスたちがもっと活躍してくれたら嬉しかったです。処刑直前で助けに来るとか!
「柵」の内と外の違いを、音楽というもので鮮やかに描き分けているのも印象深い。
ただエヴァの脱出は最後まで受動的な感じで(もちろん最後の最後の一歩は自分で踏み出していますけど)いまひとつ爽快感がありませんでした。そこが残念。
あと、レクスは戻らない、罪人は脱走、で残された村人はどうなっちゃうのだろう。叔母さんが無関係宣言をしたとはいっても、誰が手引きしたんじゃコラー! とかなりそうなものですが。と思わず心配しちゃったのもエヴァの脱出を心から喜べない理由でした。
ところで書き手さんはヴの字のついた名前がお好きと見た。

G02  ノストラダムスによろしく
凛ちゃんかわいいっ。酢こんぶー!(笑)最後の会話もかわいくていいです。しかし凛ちゃんは「龍はきっと自分を好きにはなってくれない。好きになることはない。」とまで確信していたわけですが、なんだよー両想いじゃん。でもこの空回り加減もティーンっぽいのかも。龍くんの行き先は読み手にはすぐ想像ついてしまうわけですが、こういうはたから見るとご馳走様な恋愛模様って、読みながら「うふふ」とにやけてしまいますね。
いまどき1999年の話なのはなにか仕掛けがあるのかな(十年後の結婚式に飛ぶとか)と思いつつ読んでいたので、そこだけちょっと拍子抜けです。
ところでノストラダムスの予言って、いまどきの若い坊ちゃん嬢ちゃんにどのくらい通じるんでしょうかね……。

G03  ――み・ち――
退廃的な雰囲気の作品。古い日本映画の、あの独特の色で思い浮かびました。うーん、書きたかったものはなんとなくわかる気がするのだけれど、語るのが難しい作品。
彼女は名を偽り、その名前を呼ぶ男と身体を重ねることで「本当の自分」から逃げているのでしょうか。ここにいるのは千鶴だから、千尋だから、千夏だから、「わたし」ではないから、哀しくも寂しくもないのだ、と。
そうそう、よその感想を読んでやっとタイトルが腑に落ちました。成程、かならず「○○み・ち○○」という名前だからなんですね。彼女の本名がやはりそうなのか、それとも?

G04  道端の石
13か14の女の子を「女」と表記するのがすごく違和感があったのですが、医者の台詞では「少女」になっているので、わざとなんでしょうね。女、少女の呼び分けを意識もしない、というのはこの主人公に確かに似合っているように思います。
少女には男が殺せない、というのは予測できた展開だったのですが、さらにラストでおお、となりました。男が少女を拾う場面を読み返して納得。彼女にとっては男こそが実の父親から救い出してくれた存在であり、「父」だったのかなあ。
この先の二人が気になります。ひっそりと二人でどこかに隠れて暮らすのでしょうか、それとも。

最初の対話だけかぎかっこの前に句点があるのですが、これはフェイクの痕跡でしょうか……。

G05  素晴らしきベタな日
わはははは、楽しい。ベタ研ちょっと体験入部したいです。でも実践する勇気がないので正式入部は辞退申し上げたい。部長は変な人ですがかっこいいですね〜、そして主人公はサラリとMでしたね。転校生ちゃんがマジ天然なのか部長の同類なのかがとっても気になりま(すごく前者っぽいけど)。もう主人公君とのフラグはぼっきり折っちゃって、部長と転校生ちゃんがくっついたらいいよ! そしたら部長はきっと一生幸せだよ!
しかしさ、「パンを咥えて『ちこくちこく〜』と言いながら走ってきた女の子」って「ベタ」通り越して「ネタ」なんじゃないんですかね。「転校生で隣の席」とか「子猫を助けてトラックにひかれかける」とかはまだ通用するベタって気がしますが。
このお話、「王道書いたっていいじゃないか、ベタな展開だっていいじゃないかー!」と叫ぶ作者様の姿が見えるようでした。はい、諸手を挙げて賛成でございます!!

G06  深紅の森
西洋の昔話のような印象のお話。
陽炎の樹の払う犠牲に対して、フォルスの思い入れというか悲壮感があまり伝わってこない気がします。なんでかなあと考えたけど、暑い、疲れた、くらいで、フォルスがこの森で大変な目に遭っている様子がなかったからじゃないかな。もっと試練があると盛り上がる気がするんですが。
少女の「何かの犠牲なしに、何かを得られはしない」という台詞は、真理だよなあ、と思います。
あと小さいことなんですが、もとの木は「白い木」で、そこから採った赤い枯葉が「陽炎の樹」だという表現がちょっと不思議でした。「陽炎の樹」と「陽炎の樹の葉」ではだめなのかな。ほら「世界樹」と「世界樹の葉」みたいに。
ラストの一文はリズミカルで前向きで、とても素敵でした。

G07  父へ
ラストの切り方が非常に鮮やかで印象に残りました。
とても好きな作品です。
いくつかのエピソードで語られる、不器用なお父さん像がなんとも愛おしい。
父の家に少しずつ近づきながらもずっと迷っている主人公の心のうちが、淡々とした語り口ながらも胸に響いてきました。
手紙をポストに入れたところでほっとしたような残念なような気持ちになり、ピンポンダッシュでちょっとなごんで、間髪いれずにやってくるラストにぞくりと快感。
このあと二人はどんな会話をしたのかな。きっとものすごくぎこちない空気だったことでしょう。

G08  かつて歩いた道
父と娘の話の次は母と娘の話。ブロック分けはランダムとのことですが面白い並びですね。作中の、化粧気のない格好の子連れ女性を友人と二人で笑う場面で、ちょっといたたまれない気持ちになりました(笑)うう、描写がリアルなだけに耳に痛いです。女捨てないように気をつけたいです……。
すみません、本題に戻ります。私自身幼い娘を育てていることもあって、目を逸らせない作品でした。子育てしていると、なにかにつけて自分自身の幼いころの記憶と向き合うはめになるんですよね。克服したと思っていた過去が、単に見ないふりをしてきたものにすぎないことに気づかされたり。
明確な説明をしない、わかいやすい決着をつけない話運びに、大人の人生の深みを感じました。

G09  畦道の少年
で、次がこの作品なわけで、めぐりあわせが本当に面白い。
なにが起こるわけでもないのだけど、楽しい作品でした。かけあいのテンポがよくて楽しかったです。ラストの「おれは元気やでー」「知っとるわ!」とか、いいなあ。
コンビニでアイス食べて農道をチャリ(しかもマウンテン)で走るとか、カブトエビとか、田舎の空気感がなんだか懐かしい。
台詞が西のほうの訛りになってますが、これはフェイクなような気も……。語尾は訛ってるのにボキャブラリが東京方面なんだもの。とかいって違ってたらすみません。

G10  草いきれの道
短くも重たい話。日本の夏はバカンスの季節であると同時にあの戦争を振り返る季節でもありますね。生きていた人の数だけ戦争の物語はあって、それは風化はしても消え去ることはきっとないのだろうなと思いました。

G11  旅は道連れ世はソーダ味
少年目線がとても自然で、巧いなーと感心しきり。ゼリーのおかわり3こ分の感動って! 少年のちょっとした冒険譚に老人のエピソードがピリリとスパイスを添えていて、でもその入れ方が変に重くないから、話の雰囲気はあくまでほのぼの。
浩太君が優しくて正直なめっちゃいい子。亜佐美ちゃんもイマドキ風だけどいい子。おにーさんもすてき。
「原上等兵ただいま帰還しましたあ!」から「もうごはんかな?」の場面がすごく好きです。
季節感も抜群で、大好きな話になりました。

G12  エバーグリーン
冒頭から謎だらけの話で、頭の中をクエスチョンマーク一杯にして読み進み、どこで謎解きがあるのかなーと思っていたら、最後まで謎のままだった……。脳内に????が残ったままです。長い物語の序章を読んだような気分。
白赤黒まだらの錦鯉と森の緑、朱い鳥居と、ウタさんの赤い唇。色彩イメージの豊かさが印象に残りました。
鯉は滝をのぼって龍になるんでしたっけ。関係あるのかな?
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